2020年7月29日

和製なワーケーション

ここ数日、ちょっとしたトレンドになっている「ワーケーション(Workcation)」は、"Work"+"Vacation"から作られた造語なんですが、「自粛と言いつつ、観光地へ出かけろとは怪しからん」とか、「又変な和製英語で...」とか、批判されている人達のコメントを見ていると、どうもピント外れな印象が大きい。

「観光地へ出るのは怪しからん」というのは、確かに移動を伴う行動だからそこは注意が必要だけれど、別に深夜の飲み屋へ出かけろと言っている訳ではなく、どちらかと言えばホテルや旅館などにこもる傾向のある行動だから、そこは一寸違うと思う。それ以上に誤解しているのは「又変な和製英語で」という話し。多分少し前に「"Go To Travel"は英語としておかしい」と言われた所から影響しているんだろうけど、"Workcation"という言葉は、例えばこんなサイトで2011年には取り上げられているので、少なくとも「言葉(word)」としては結構以前から使われていたことは確か。ただし、例文を読んでみると、要するに海外出張などで仕事半分・休暇半分みたいな状態を指しているようなので、現在使われている意味とは一寸異なることも事実。ただ、「和製英語」というのは当たらない気がする。

特にどこの誰とは言わないけれど、こう言う反応をするのは往々にして現政権に批判的な立場の人達で、それはそれでまぁ分からないでも無いけれど、肝心の言葉や情報を基本にしているメディア関係の人間ですら、こう言う一寸した確認すらせずに同じように騒いでいるのは何なんだろうか。例えば自分も含めて、多くの人は、何か知らない言葉が出てきたら、Google等で検索する、ハッシュタグで検索する、位のことは先ずやると思うのだけれど、なんで「プロフェッショナル」な人達はそう言う「一寸した一手間以前」の作業すらやらずに、自分の思い込みだけで延髄反射して、さらにSNSで公開までするから日本中、世界中に自分のミスを拡散してしまう。さらに、それで何度か痛い目に遭っても、「いゃ、自分は正しい、相手が間違っている」と言わんばかりに、同じような事を繰り返す。仮に、彼らが自分の上司だったら、もう即上司に自分の配置転換なり業務から外すことを要求するだろうなぁ。そう言う軽率以前の行動が当たり前だと思っているからなのか、本来はライバルである週刊誌や他社の記事ですら、「これはいける」と思ったら即信じてしまうし、中には見出しだけ見て本文も読まずに他社の記事を参照したりする、素人未満の行為も。彼らの行動が、どれだけ「メデイア」という職種の価値を下げているのかと思うと... 今回の「ワーケーション」だって、以前は各紙で好意的に取り上げられていた話題なんですよね。

日本での「ワーケーション」は、確かJALが航空機利用率アップを目論んで使いだしたのが最初だと思うんですが、ビジネスモデルとしてはJALが閑散期のハワイ旅行を喚起するために支援しているホノルルマラソン方式と同じようなもの。さらに言えば、「Go Toトラベルキャンペーン」にしても、行った先のホテルや売店だけで無く、その途中有る交通機関に落ちるお金も大きいという事の証しでもあると思うんですよね。昨日CX系列の「グッディ」に星野リゾートの星野佳路社長が出演していて、このワーケーションに関して、宿泊代が掛かるみたいな質問対しては、価格が高くなる週末や祝日を挟んだ利用ではなく、安い利用金もある平日を活用した利用をすれば、ホテルも稼働率が上がるし価格を下げる努力も出来るみたいな説明をしていました。ホテルにとって、稼働率をいかに上げるかというのは大きな課題だし、特にリゾート地域のホテルは休みの日に集中して平日は利用者数は少ないだろうから、それが平日の稼働率が上がるならかなり嬉しいはず。単純に「新しい仕事のスタイル」と諸手を挙げて賛成するわけでは無いけれど、少なくとも新しい選択肢が増えることは誰にとってもありがたい事であることは確かだと思う。

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