2020年6月9日

嘘では無いけれど...

テレビや新聞の報道とか提供する情報の劣化がどんどん進んでいて、必ず元ソースの確認とか、別媒体やネットで調べて比較しないと、その情報の真偽が確認出来ない時代。昨日もお昼を食べているときに点いていたテレビで、某有名「何でも知っている」MC氏が女性アシスタントとアメリカの黒人(アフリカンアメリカン)死亡事件に絡めて、人種差別の元となるアメリカ建国以前の奴隷制度の話をしていたんですが、「ちょっとそれは飛躍しすぎでは」と感じるものに。

新大陸に渡ってきた人達が、「物」として黒人労働力を持ち込み、その後も人としてカウントされない、物々交換で労働力として市場があったみたいな説明をしていて、それはそれで当時の一面として間違いでは無いのだけれど、何か「アメリカ」が出来るときにいきなりそう言う仕組みが生まれたみたいな節目の仕方には違和感が。アメリカへの入植者は、言ってみれば欧州からの移住者な訳で、そこで素は出にそう言うシステムがあったから、アメリカにも持ち込まれたという背景が有るのと無いのでは全く印象が違うでしょう。その欧州にしても、アフリカ大陸に侵攻して植民地を作り、そこから安価な労働力として自国に取り込んでいった物な訳で、当時植民地を持たないアメリカは欧州から持ち込むか、あるいはカリブ地域当たりから取り込んでいたと思われるから、そう言う説明もしないと何か唐突感が消えません。

別の話題ですが、今朝のモーニングショーでは、例の予備費10兆円の話題を取り上げていて、盛んに「我々の税金からの」という枕詞を付けて、この予備費の話をしているんですが、それもちょと違うのでは。予備費も含めた第二次補正予算に関しては、全て国債で賄うことになっているわけで、そう言う意味では税金からの支出は想定されていないもの。「いゃ、国債は国の借金だから、返済するのに税金が使われる」という言い方も有るかもしれないけれど、国が国債を発行して市中の金融機関が買い上げて、それを日銀が買い取るわけだから、金銭の流れとしては国が発行した国債がぐるっと回って財務省の組織である日銀に戻ってくるわけで、借金というのは一寸違う気がする。言ってみれば「信用」というプライスレスな価値が売買されているような物なので、それが無くならない限りは極端な話無尽蔵に発行しても良いのだろうけど、流石にそれをやると信用が無くなるから限度はあるんでしょうけど。ただ、本当に税金で償却するのであれば、国債発行だけで無く、それ以外の歳出も税金収入内に納めなければおかしいわけで、単純に歳出・歳入の比較で済む話でも無いと思うんですよね。言ってみれば、余りにシステムを単純化しすぎていて、本質が消えている気がします。

限られた時間の中で、有る程度の視聴者層は想定しているとしても、そんなに専門知識が無い人にも理解して貰えるように、情報を整理圧縮して伝えることは、確かに難しいことだと思うし、単純化・簡略化することで誤解を招くような表現になる事もあるとは思います。でも、今のメディア配信の様子を見ると、かなり多くの記事や番組では、そう言うリスクを知ってか知らずか、どうしても自分達に都合良くまとめている気がするんですよね。それは、方向性だけで無く、コスト削減もあってか簡単な方向にまとめるとか、事実かどうか不明でも何となくみんなが思っている方向にまとめるとか。ビット落ちくらいなら、ECCで補正すれば良いけれど、メディアから流れてくる情報にはそんな機能はないし、帆伊勢ビットが足らなすぎてエラー発生の確認すら侭ならない(笑)。でも、そうやって日々積み重なっているエラーが、最終的にはとんでもない問題発生の原因になるわけで、改めて既存メディア、レガシーメディアの責任は大きいことを実感しました。何か上手い対策はないものだろうか...

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