2020年6月30日

うなぎを食べ尽くす

絶滅危惧種に指定され、昨年は確か記録的な不漁で価格高騰した「鰻」。今年は稚魚が豊漁で、例年の5倍位取れているらしいけれど、何故かテレビなどでは「鰻豊漁、価格下がる」というニュースばかり。なんで、「絶滅する前に、この豊漁を生かして保存しよう」という話が出てこないのか?

改めて調べてみたら、すでに2月、3月位で豊漁は分かっていて、稚魚の採取も3月で上限に達して終了しているのは良いのだけれど、だから今年は安くなると言う反応は本当に鰻のことを心配しているのか疑問。海外でも豊漁ということで、日本鰻の稚魚が他国に乱獲されることは少ないのだろうけど、それならそれでもっと「保護」することも強調しないと、結局は「豊漁だ、豊漁だ」で喜んで終わりになってしまい、来期以降不良になったら「何故」という負のループを繰り返すだけでは。去年の不良で、夏の土用の丑の日もままならず、鰻以外の「蒲焼き」やその他商品に切り替えたお店も多い中で、今年は豊漁だから安く提供出来るというお店の声は確かに切実だし、生の声だと思う。でも、幾ら夏の風物詩で、土用の丑の日も来るからと言って、あんなに鰻の宣伝をしても良いのだろうか。せめてその手のニュースの最後には、「幸いにも豊漁だったけれど、節滅危惧種であり保存に対しての対応が重要」くらいの注意喚起は必要では。

鰻以外で、絶滅危惧種だけれど食材として美味しくて馴染みの物というと、一寸直ぐには思いつかないのですが、多分その地方地方で色々あったりしますよね。絶滅危惧種にはまだなっていないと思うけれど、駿河湾の桜エビなんかも、最近不良でずっと禁漁とか漁獲制限をしているけれど、なかなか以前ほどに復活してこないのは、単に環境の変化だけでなく、主として以前の数量を維持出来るだけの個体数が足りなくなってきているのでは、と個人的には感じるところ。桜エビだって、季節の風物詩でもあるし、最近では地元の名産として全国的に販売したりしているから、多分消費量は格段に上がっているはずで、それに対して漁獲量は年々減少している。それで商売している人も沢山いるわけだから、簡単には止めることは出来ないのだろうけど、日本の漁業って何かちぐはぐな感じがしますよね。

勿論、日本だけの理由ではなくて、世界的に魚の消費量特に中国での消費量が拡大していることも大きな原因だろうし、「和食」の世界的普及によって、それまでは日本限定のような食材が、例えばサンマのように何倍何十倍もの規模で消費されるようなケースもあるでしょう。そう言う場合、日本だけの努力では解決出来ないことも多いのだけれど、日本の姿勢もちゃんと示さないと他国に示しが付かないことも事実。去年くらいから、土用の丑の日のうな丼・うな重が予約制にするところが増えて、以前のような売れ残りの廃棄処分が減ってきているみたいだけれど、今年も豊漁ではあるんだろうけど、無駄を排する努力は昨年以上に進めないと。養殖でカバー出来ない以上は、自然の摂理に任せるしかないわけで、その為には「何もしない」事が最善の方法というのは、例えば福島沖の漁場震災の影響で禁漁期間がずっと続いていたために、その間に豊かになっていることから明らか。豊漁の時だからこそ、もう少し我慢すると言う選択肢があっても委員じゃ無いだろうか。

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