2020年6月11日

映像に騙される


フットボールフリークの間で一寸騒動(?)になっている映像。Xリーグが公開している、迫力有る試合の映像なんですが、そこで流れてくるタックルやランニングの音が、実は「後から追加された物」という話。実際の試合を、しかもサイドラインなど直前で見る機会があれば、ああいう音を拾うことは、かなり難しい、というか実際にはああいう音は聞こえて機無いんですよね。勿論、凄いタックルが決まった場合とかは、なんか変な音が聞こえてくるけれど、映像で使われているような音はしない。仮に、どんなに高性能なマイクを使用しても無理だと思う。

大体マイクで現場の音を拾う(生録)ためには、かなり感度の良い高性能且つ特定の音源だけを拾えるようなこちらもかなりの指向性があるマイクが無いと無理。感度が良いという事は、回りのノイズも拾いやすいし、指向性が強いということは、ちゃんと目的のプレーに真っ直ぐマイクを向けないと音を拾えないという事。カメラで言えば、高倍率の望遠レンズで特定の選手のプレーだけを撮影するような物で、これがプレーが始まるとついづいする事がどれだけ難しいか。大体は、プレーを予想して有る程度レンズを向ける方向を決めたりするんですが、後は咄嗟の反射神経なんですよね。そうやって録音できても、そのままでは多分使用出来なくて、ノイズを除去したり、余分な音を削除したり、目的の音を境地要したり色づけしたりと、後処理も大変。結果的には、後から音入れした方が、簡単だし迫力も違う。まぁ、言ってみれば演出の一つですよね。

NFLの映像でも、こう言うビデオをよく見ますが、彼方も同じだと思う。唯一違うのは、選手の会話などは今はマイクの装着が可能なので、それで拾っているはず。それでも、どうしても拾えなかった音とか会話とか有るだろうから、個人的には場合によっては後から本人がアフレコを当てていることもあるんじゃ無いかと思っているんですが。まぁ、ファンや視聴者としては興醒めというかガッカリしてしまうのかもしれないけれど、やはり生のまま撮って出し出来るのは個人の趣味の範囲くらいまでで、それなりにインパクトのあるものを作ろうと思えば、音も勿論だし、映像だって加工(トリミングとか補正)をするのは当たり前。一寸くらい映像なら、少し明るめにしたり、チームのユニフォームの色が少しくすんでいたら、そこは明るく加工したりと、それは言ってみれば「演出」とか「効果」という事なんですよね。

テレビなどでは、こう言う音響効果とか映像効果を加えた物というのは、皆さんは大体理解しているんだろうけど、生のスポーツの映像にそう言うものが付け加えられているというのが、ちょっとピンとこなったのかも。あえて、表に出さなくても良いと思うし、今回Xリーグがこの映像を公開したいとはよく分からないのだけれど、個人的には一寸マイナスな気もしますね。今後迫力有るプレーの映像が流れても、そこに何となく嘘くささを感じてしまうと言うような。そう言う疑問が沸いたら、是非グランドやスタジアムに足を運んで試合を見て欲しいですよね。音的には物足りないかもしれないけれど、映像だけからは得られない「一体感」は、やはりライブの魅力だと思う。それはスポーツでも音楽でも一緒だと思うし、その瞬間瞬間を楽しむという醍醐味は、やっぱり生観戦しか無いと思う。そう言う意味では、こう言う映像やその裏側を見せるのも、意味があるのかもしれないけれど。

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