2020年6月12日

クラウド祭り

昨日一寸した「祭り」状態になっていた、立憲民主党の蓮舫副代表の「クラウド」発言。早速agoraでまとめ記事にされているけれど、まぁよほどの大企業とか、特殊な目的(例えばセキュリティ要件とか)があれば、自前のサーバー(on-premise)運用をするんですが、ここで問題になっているのはマイナンバーのシステムで、かつもう何年も前からシステム構築が始まっている案件で、今後もずっと使用するシステムだから、オンプレミス環境だろうなぁ。「サーバーを増強する」というのは、多分フロントエンド部分を補強して、同時アクセスに対応するのだろうけど、クラウドに置くからと言って解決するわけでは無い話でしょうね。というか、今別件で、民間に再委託、再々委託、再々再委託していると問題にしているのに、このシステムは民間のシステム(=クラウド)を使うのはいいのか。あるいは、政府が専用のクラウド環境を作れという事なんだろうか。それこそ、お金の無駄遣いのような気がするんだけれど。

別にこの人に限らず、国会議員が森羅万象全てに通じている必要は無いとは思うけれど、いつもは他人を同様の作法で攻撃している人だけに、当人に対しての風当たりが強くなるのは仕方ないかな。不思議な事に、日頃は人の言い間違いを厳しく糾弾するメディアまで、やさしく擁護してくれるんだから、まぁこの人達のダブスタというか意図的な目的は言わずもがなだけれど。200万アクセスで障害が発生したのだから、「では、今後はどれだけのアクセス数を想定して、いつまで二度のようなシステム対策をする予定なのか。それによって、予算の追加措置など必要なのか。」みたいな事を問うのが、本来の質問じゃ無いだろうか。彼女がITに詳しくないのは仕方ないとしても、政治家として受給者が困っていることは理解しているはずだし、その為には200万人で足らない状況に関して政府の対策を失するのが本来の役目のはずだし。

agoraの記事を読んでいて別の疑問が浮かんできたんですが、彼女は「3300億円もの税金を掛けて構築してきたシステムが」、と書いているけれど、それって今回のために投入した金額では無く、平成25年から現在までの7年余りの金額。そのマイナンバーも、彼女たち民主党政権時代からの話なわけで、本来なら統一的なシステムになるはずが、色々な理由を付けてわざわざ連携出来ないようなシステムにしてきたわけで、その席の一旦は彼女たちにもあるはず。そう言う意味で、今のシステム設計が今回の様な事態を想定していなかったことが障害の理由なんだろうけど、そこには自らの責任も含まれると思うなぁ。それに、仕分け作業などで、散々人材や先行投資を切ってきたことも、今になって外部の組織や会社に出さないと業務が回らないという状態に繋がるわけだし。

質問する側も、それなりに調べて怪しい部分とか疑問のあるところを質問するんだろうけど、どうもそのネタ元が週刊誌記事だったり、何かキーワードに反応しているだけだったり、切っ掛けの筋が悪い気がするんですよね。しかも、そう言うものを見つけると直ぐに飛びついていくから、ちょっと考えたら自爆とかブーメランになりかねない話にも手を出してしまう。本来なら、給付が遅いとか、申請手続きが複雑とか言う、本当に必要な問題に対してその改善を要求するのが本筋だと思うし、そう言うことを今やらなきゃいけないはずなのに、それらとは別の金額がとかクラウドがとか、枝葉末節のさらにはずれの話で時間を浪費しようとしている。自公の支持率が下がっているけれど、それに対応して野党の支持率が上がるどころか現状維持か下がることもある現実を、もっと真剣に考えないといけないはずなのに、やっぱりそんなことは気にしないのが特定野党らしいというか。本当、邪魔しないでくれたら、これほど素晴らしい野党は無いのだけれど。

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