2020年5月12日

PCR検査に拘る理由

山梨大学学長の島田真路学長が、盛んにPCR検査を全ての人に適用するように主張しているけれど、どう言う理由なんだろうか。しかも「日本の恥」とまで、強い口調で言う理由は。東洋経済のサイトにインタビュー記事が掲載されていたので読んでみたんですが、それでもよく理解出来ない。

最初に記載されている、新型コロナウイルス初期の話。「PCR検査に制限を加えてきた」というのは事実なんだろうけど、それはPCR検査の信頼性の問題が大きいわけで、いきなりPCR検査をして陰陽判定するよりは、症状やCT/MRI検査で肺炎の状況を確認してからPCR検査で最後に確定させるというのが戦略だったはず。だから、日本の陽性率は検査数と比較して大きいけれど、それはより疑いが高い対象者に対して実行しているからでしょ。さらに「民間の検査か医者や大学にとって比較的簡単な検査」と言っていて、続けて「保健所だけにやらせようとする」と書いている。これ、検体の採取の所と、その検体の検査の所がごちゃ混ぜになっている、あるいは検体採取の話だけしている? 確かに、初期の頃は慣れないこともあって、検体採取にしても検査にしても時間が掛かっていたけれど、最近ではそれも改善されつつあるはず。と言うか、その山梨大学医学部では、今どれだけカバーして、どう言う状況なのか、そう言う話が出てこないと何とか比較できない。

次の「医療崩壊」の話も、最近でこそ橋梁して貰えるホテル等が出てきたから、書かれているような事も可能なんだろうけど、最初は感染症指定してしまったために、陽性者は全て入院させないといけなかった。まぁ、初めての経験という事も有ると思うけれど、ここは次回からは直ぐに症状荷の重さによって、ホテル・自宅、入院、ICU、みたいな古いわけは必要だと思います。ただ、収容先が増えたことと、PCR検査をもっとやるという主張の関係性が分からない。それに「医療崩壊は起こらない」と言っているけれど、実際問題ピーク時には崩壊一歩手前まで言っていて、医療関係者からの悲鳴は幾つも出てきていたわけで、その現実はどう考えるのだろうか。何か、後付けの意見を言っているようにしか聞こえないのだけれど。それに、習近平氏の来日とか東京2020の開催とかをPCR検査抑制の理由にしているけれど、それならそれらが全て延期になってからPCR検査数を増やせば良いはず。でも、延期後もそうで無かったのは、元々必要が無かったという事でも有るように思います。検査数の抑制というけれど、多分現場では無闇矢鱈な検査では無く、必要十分検査をちゃんと進めていくことに主眼が置かれているだけの話では無いかと思う。検査のクライテリア「37.5度以上が四日」の話だけれど、これも一般人がそれなりに判断が出来るクライテリアという事で出された指針の一つだったはず。だから、何が何でも4日我慢するという話でもないし、それ以外の場合でも必要なら保健所なりにコンタクトするように言われていたはずだし。無闇矢鱈に検査してリソースを消耗しないように設けたクライテリアだから、そこに線引きする意思はあったと思うけれど、それは空くまでリソースとの兼ね合いの話で、やりたくないと言う気持ちでは無いと思うけどなぁ。

で、最後のページでは緊急事態宣言の延期に関してですが、これは感染状況をこちらでコントロールできる訳では無いので、仕方ない話では。もともと、日本の戦略が、ピークをできるだけ抑えて医療崩壊をさせないけれどその分対応期間は長くなる、という物だったはずですし。で、最後に大学経営の話が出てきて、正直がっかりしました。山梨県の逼迫状況が分からないけれど、例えば感染症対策は別の病院に任せて、大学病院ではそれ以外の重大な治療や手術を受け持つという分業もあるはず。他の病院でのリソースが溢れてしまうので、大学病院でも手持のリソースを投入するという事も有るはず。東洋経済のサイトで山梨県の状況を見ると、静岡県よりも陽性者数は少なく死亡者数はゼロで、多分必要十分な対応をしているのだろうし、その中核として山梨大学医学部の貢献度も大きいのでしょう。でも、PCR検査数は2000人台とそんなに多くは無い。実は感染者数がもっと多い他県と比較しても大体同じくらいの所も多く、そんな状況でなんでPCR検査の拡大を主張するのか、最後まで読んでみてもやはり理解出来なかった。新型コロナウイルスの治療薬なりがあるなら、積極的に陽性者を探し出して治療する事は分かるけれど、その手段が無い以上陽性が判明しても隔離待機するだけ。それなら、今のように互いに距離を取れば同じ事だろうし、一番怖いのはPCR検査で陰性だからと普通に三密を破って、そこから感染していくことですよね。韓国で再燃しているのが、まさにそれが理由な訳で、やはり検査を拡大して行けば良いという話しではないとしか理解出来ない記事でした。

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