2020年5月26日

賭け麻雀のレート

黒川前東京高検検事長の賭け麻雀関連の報道で、「賭け麻雀のレート」が話題に。今回は麻雀の勝点1000点を100円に換算する「テンピン」レートで、それは法律を厳密に適用すれば「アウト」だけれど、社会的に見逃せる程度の軽微な賭けみたいな説明がありました。私は、麻雀を含めてギャンブルは一切やらないから、麻雀のこの手のルールは全く知らないけれど、学生時代など好きな奴は幾らでもいたから、何となくそんな話は耳に入ってきていました。麻雀は知らないけれど、手持の牌の組合せで手の内の強弱が決定して、それで4人の中で順番が決まって、最下位が最上位に点数を払うみたいなルールだと思うんですが、正直その牌の組合せとか覚えるのが駄目でやらなかったこともありました。

で、点数に応じて幾ら払う貰うと言うのが「賭け麻雀」のルールで、その倍率を決めるのが最初に「テンピン」(1点=0.1円)とかいう言い方をするらしい。某番組では、その手の用語がポンポン飛び出してきていて、MCの坂上忍氏もかなり好きそうな雰囲気をひしひしと感じていたし、別の番組でも参加していたタレントさんが結構詳しい様子が伺えていて、実際にそう言うレートで賭け麻雀をしていたかどうかは不明だけれど、皆さんそれなりに詳しいしそれなりに経験はしているんだろうなぁと言う事が伺える状態。極めつけは、元検察官元国会議員現弁護士の若狭氏が「テンピンは問題有りません」と言い切ってスタジオはまた混乱に。1000点=100円のレートが安いか高いかは分からないけれど、法律に有る程度解釈の余地がある、認める、というのは現実的な話ではありますよね。以前、たまたま入った雀荘で賭け麻雀をしていた漫画家の蛭子能収氏が捕まった事件があるけれど、あれはレートが倍の1000点=200円(「リャンピン」と言うらしい)だったからと言う説明も。この事件は20年以上前の1998年だったから、その辺のさじ加減というか、レートも変わっているんだろうけど。

いずれにしても、この件を取り上げているテレビのニュースとか情報番組の参加者達が、普通に常識のようにこの「レート」用語を使用して話しをしている様子を見ていると、まぁ確かに自分が知らないだけで世の中的にはというか、麻雀好きな人にとっては「常識」なんだろうな、と言う事は「用語」だけで無くその「行為」も常識的なのだろうという邪推も。それが仕事で使うような用語なら、詳しくても不思議は無いけれど、娯楽に関わるしかもかなり特殊な場面での用語のはずなのに、普通に共通語的雰囲気で使っている様子を、見ている人は変と思わないのだろうか。似たような言葉で、その職業とかで使われる「隠語」みたいなものがあります。例えばお寿司屋さんで使う「ガリ=甘酢生姜」「上がり=お茶」「シャリ=酢飯」何て言うのは、元々は職人同士の符牒だったものが、一般にも知れ渡って普通に使われるようになったもの。でも、今回のレートの話はそう言うものともまた違う話で、やっぱり普通テレビなんかで使われる言葉としては違和感を感じます。

実は個人的に一番注目したのは、この番組でコメンテーターとして出演していたフジテレビ解説員の平井文夫氏が「パチンコも賭博」と言ったことなんですよね。確か法律上は、パチンコは「遊戯」であって、賭博では無い、なぜなら金銭を賭ける行為が無いから、というような解釈だったはず。でも、実際には「三店方式」で金銭の授受が間接的に発生しているわけで、実質的に賭博行為で有る事は以前から言われている話。某組織からの天下り先として、業界と握っているから変えられないみたいな話も聞きますが、実際金銭の入手が可能な事は確かで、その点を深掘りしないで賭け麻雀のレートの話だに終始するのも変な話。まぁ、テレビ局としてもパチンコ企業は有力なスポンサー企業だし、クライアントとしても、監督官庁に対しても、余計な波風は立てたくない所なんだろうけど、でもやはり矛盾だよなぁ。いずれにしても、色々矛盾を感じて、ちょっとした世の中の闇みたいなものを感じた時間でした。

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