北海道、神奈川県と一部解除基準に達してはいないものの、収束傾向にあるという事で、昨日安倍総理が解除の会見。国内外から日本の対応を避難する人も少なくないけれど、でも実績として新型コロナウイルスによる死者数は、他の先進国と比較して一桁場合によっては二桁違う実績は、素直に評価されて良いと思う。これを、単位人口当たり(例えば10万人とか100万人とか)の死者数で見てみると、その値の低さはさらに顕著。確か日本の場合は、10万人当たり12~3人が死亡者の割合で、中国の倍ではあるけれど、韓国と比較するとほぼ半分の割合。中国にしても韓国にしても、感染の中心がほぼ限定されていて、そこを徹底的に隔離することで感染爆発を抑え込んだけれど、日本の場合は全国的に散発するクラスターを、その都度丁寧に押さえ込んでいく対策を取り、それ故時間は掛かったけれどなんとか崩壊を逃れてここまできたもの。
その「日本方式」の成功理由は未だ明らかでは無いけれど、地勢的な理由として日本も含まれる東アジア地域全般に、今回の新型コロナウイルスに対しての耐性があったのか、欧米などと比較して影響が少なかったことは事実。早い対策で感染を封じ込めた台湾とか、そんなに対策をしていないと思われるのに影響が日本よりもさらに一桁くらい低い東南アジアの諸国とか、その理由は不明ながらも全般的に地理的に有意だったことは、欧米諸国と比較してかなりよかった気がします。それが、気候なのか、人種的なものなのか、BCG接種等の過去の対策なのか、出来ればその理由が解明されて次の対策に繋がれば良いのだけれど、結局は不明なままなんだろうな。個人的には、やはり人種的なもの、その人種特有の何か遺伝的な因子が、対コロナ耐性みたいなものを生み出しているような気がしますが、それは専門家の解析を待たないと。ただ一つ言えるのは、だからと言って日本で、東南アジアで、感染する可能性が無くなったわけでは無いわけで、そう言う意味では基本的な対策は今後も必要な事は事実。
4月7日に発出された今回の緊急事態宣言は、実はその時点では既に感染は収束(減衰)状態になっていて、遅すぎた・不要だったという意見があり、それはそれで一つの事実だと思うけれど、過去の結果を見ていまい得ることも、その時点での状況から判断することは別だと思う。その時点で収束傾向にあったとしても、緊急事態宣言が出されず外出自粛状態がもっと緩いものであったら、そこからまた再感染が広がった可能性だってあるわけで、それはその状態になってみないと分からないこと。同じ状態にあったはずの北海道だったり神奈川県では、感染が増えたり収束しなかったりしているわけで、緊急事態宣言自体の評価は後でするとして、その時点時点では「最悪の状況を想定して、最善の対策を取る」事だけが唯一の解決策だと思う。そう言う意味で、北海道大学の西浦先生が発言した「8割削減/死者48万人」の話しは、背景には色々な数理モデルとか統計的な背景とかあるんだろうけど、そう言う難しいところは省略して、自分なりに解釈したのは「このまま何も対策を取らなければ、最悪48万人の死者が想定される。自粛行動でそれは回避可能だが、可能ならば8割の外出自粛であれば、短期に収束が期待出来る」という意味だということ。メディア等での取り上げ方にも問題があったと思うけれど、良くも悪くもその「8割」という値が多くの人に刷り込まれて、テレビなどで「まだ8割行かない」みたいな報道が、結果的には緊急事態宣言中の外出抑制効果をアップさせたんじゃ無いかと。だから、あれはあれで効果があったと行っていい話だと思いますね。
言うまでも無く問題は、これからの数週間。これまでの反動もあって、外出頻度が増えることは確実。選考して解除された39県では、そんなに一気に外出が増えてはいないけれど、人口が集中している首都圏が解除されると、やはりその度合いは大きいと予想されます。それでも、以前の状況と比べると、まだ半分くらいの混雑具合で、この状態で感染が終息していくようなら、少し早めに元の状態に戻れそう。とは言っても、多分この夏、そして次の秋冬と感染が無くなるわけでは無いので、発見する体制、治療体制、支援体制といった、今回の経験値を生かしたスキームを余裕が出来てきた今だからこそ整備しておかないと。少し前テレビでは、埼玉の指定病院が自腹で感染者用の病室をプレハブで外に準備している様子が放送されたけれど、ああいう所にもっと予算を投入して補助してあげるべきだよなぁ。厳しい病院経営補助のために予算が組まれていたりするけれど、設備とともにやはり人員の育成や確保みたいな事も必要性を痛感したはず。日本人の悪い癖で、のど元過ぎたら忘れると言う事だけは無くしたい。それが今得られた最大の教訓なのかも。
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