2020年5月22日

身内擁護

賭け麻雀が発覚して、昨日辞意を表明した黒川検事長。法に関わる仕事を、しかも東京高検検事長という、検察庁No.2の立場の人間が何度も行っていたことの責任は重いし、これまで騒がれていた定年延長の話が無かったとしても、辞任は相当。最も、法務省が下した「訓告」という処分は軽いという話もあるけれど、訓告で終わらずに辞任するという事で、全体の重さを判断したのかもしれないけれど。

で、渦中の人の報道なので、黒川氏に取材なり報道が集中するのは仕方ないとしても、産経新聞には二人、朝日新聞には一人、少なくともその場に同席した社員がいるわけで、なんで彼らに取材が行ったり報道が無いのか、それが不思議。例えば、何か犯罪が有った場合、その加害者や被害者本人に取材が出来ない場合には、その家族とか親族とか、はてはご近所にまで日頃取材活動をしている人達が、なんで社内の人の取材が出来ないのか。まぁ、会社としての面子があることは理解出来るけれど、それならそれで何かあれば会社の玄関で待ち構えて、そこの社員にインタビューしているのに、なんで今回はそれが無いのだろうか。産経、朝日が身内故出来ないのであれば、読売新聞とか毎日新聞が本来は追求すべきだと思うけれど、こちらもお友達虐めはしたくないのか、非難の矛先は黒川氏に対してばかり。いゃいゃ、身内に甘いって日頃この人達が外に向かって言っていることじゃ無いのか。

それぞれの社のサイトには、「社内調査の結果」とか「真摯に受け止めて」という記事こそ掲載されているけれど、当事者に取材した記事は見当たらないし、正直なところ黒川氏一人に責任をおっかぶせてこのまま幕引きしようとしているようにしか見えない。まぁ、今に始まったことでは無いし、記憶に新しいところでは、少し前に財務官僚の新聞記者に対してのセクハラ騒ぎがあったときも、その後社内調査で半数近くの社員がセクハラを認識していたのに、そのまま有耶無耶になったことを思えば、身内なり自分にマイナスになることはほっかむりすることは自明。今回は、産経新聞と朝日新聞という、左右を代表する新聞社が奇しくも呉越同舟で仲良く癒着していたとも取られることをやっていたわけで、まぁここまでの言動、特に日頃政権や与党に厳しい言動で追及していたのに、まさにその通りのことを自らやっていた朝日新聞の記事の信頼性は、全く信じられないという事が改めて証明された感じ。

国家公務員改正案を先送りにしたのは、結果的には「吉」となりましたよね。これで野党の反対を押し切って採決していたら、「強行採決の歪みが出た」とか攻撃のネタになっていたところ。まぁ、あくまで個人的な憶測でしか無いけれど、事前に今回の賭け麻雀の話が内々に伝わっていたから、安倍総理も急転直下先送りにしていたんじゃ無いかと言う気がする。黒川氏も、野党の攻撃に嫌気がさして自ら自分の首を差し出したくらいのことは有ったのかもしれない。あのまま、検事総長になれたとしても、ずっと「疑惑の定年延長」と言われ続けるんでしょうし、仕事に対してのモチベーションは殆ど無くなっていたんじゃ無いだろうか。それならば、早々に退官して次の人生を始めた方が良いんじゃ無いかと。結果的に一番損をしたのは、とばっちりを受けて定年延長など全て無くなってしまった、国家公務員の皆さんでしょうね。野党にしても、一度法案を通しておけば、絶好の攻撃材料になった物を、自ら誇示したから先送りになり廃案になってしまうわけで、先が見えていないというか、相手の方が一枚上手というか、いずれにしても威勢が良いのは口先だけで、実が伴わない証明でしか無いことが今回も分かったと言うことでしょうね。次の東京高検検事長には、ライバル視されていた現名古屋高検の林検事長がスライドしてくるそうですけれど、さて野党はどう対応するのか。これまでのことがあるから、攻めるに攻められない、みたいなジレンマに入りそうな気がする。

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