2020年5月18日

マイナンバー活用法

マイナンバーを利用して特別給付金一人10万円の配布が始まっているけれど、マイナンバーのシステムが、過去のいろいろもあって他のシステムから隔離されているため、オンライン申請をしても、自治体の担当者が人手で確認・払い込みのシステムに再入力しているという話。批判が高まっているけれど、でもそれって過去に「マイナンバー反対」「国民層番号正反対」と声高に反対を主張して、結果「国民に固有に番号をアサインする」以外何も出来ないような仕様にしてしまった、当時の行政と反対していた国民の責任だよなぁ。

幾つかあった間はナンバーの目的のうち、一番大きかったのは徴税対策だったと思うんですよね。多くのサラリーマン(給与所得者)は、基本源泉釣趣で押さえられているから、ほぼ100%の割合で税金を取られているのに対して、それ以外の業種の場合は結構抜けがあると言われていた。また、富裕層などの税金対策とかも問題に上がっていた、そう言うものを「マイナンバー」という共通のIDで串刺しにして、正確に所得把握することで、納税に対しての不公平感を平準化することが目的だったはず。でも、結局は国が個人の財布まで握るのかみたいな反対意見が生まれて、それを一部勢力が過激に煽って、結局はそう言う構想は頓挫して、その結果が今。それなのに、やれ振込が遅いとか、マイナンバー同様の機能を利用している韓国や台湾に比べて対応が遅いとか、まぁ人間というのは勝手だなと再認識。

個人的には、今回の件をきっかけに、マイナンバーの普及は勿論、その活用方法ももっと臨機応変に出来るように、色々なシステムとの統合をやって欲しい。例えば、マイナンバーを利用していて特定の条件(年収が2000万円以下とか、保険や雑収入など全てマイナンバーで管理している等)を満たせば、確定申告不要で、全てマイナンバーでの申請で完了するとか。青色申告、白色申告も、マイナンバーと紐付けた口座利用なら、自動的に経費計算や支出計算してくれて、申告書の提出無くても手 続き完了するとか、もっと便利にしてほしい。「もっと便利に」という意図にはもう一つあって、例えば今回は特別給付金の申込のために、色々な人がマイナンバーカードを取得して申請に利用しているけれど、多分10万円貰ったら、そのままカードは引き出しの中に仕舞い込まれて二度と使われないことに100カノッサ。だから、次回同じような事が発生すると、今回も一部有ったように電子照明の期限が切れていて使えなくなっているとか、カードが何処かに紛れてしまった、パスワード忘れたみたいな話がまた売れてくるはず。結局、少なくとも毎年一回くらいは利用する機会が無いと、その時だけで終わってしまう「宝の持ち腐れ」になるわけで、例えばSSNがある米国では毎年の税金申請は勿論、銀行とかアパートとか車の取得とか、殆ど全ての面でSSNが必要で、それ位の露出度というか生活の中にマイナンバーを浸透させないと、厳しいと思う。

マイナンバーに限らず、共通化して均質なサービスを提供しようとすると、どうしてもそのサービスの振り幅から外れる人も出てくるわけで、そういう人にとってはマイナンバーを利用するメリットは無いも無く、その手間だったり万が一の場合のリスクとかを理由に反対する事もあるでしょう。でも、回り回って、不要と思うサービスから恩恵を受けることもあるわけで、例えば車を運転しない人、自動車免許を持っていない人にとっては、自動車道路なんて不要と思うかもしれないけれど、それを利用した物流に日々の生活は支えられている。大きな意味で、世の中のことは結構持ちつ持たれつの関係が存在するし、そう言うものに万一の場合に救われたりするもの。個人的には、一気にマイナンバーを国民共通のID制度にするのはかなり敷居が高いと思うけれど、マイナンバーを利用するとこれだけ恩恵が有る(税金が安くなる、手続きが簡単になる、利用出来るサービスが増えるなど)という事は、今回の件も含めて言うべきだと思うし、その中で実現可能な物は今こそ実現していくべきでは。少なくともこれまで「個人情報がぁ」とか言ってきた人の理由は、今回無駄だったと言って良いと思う。

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