楽天が企業向けに発売するという、PCR検査キットに批判が集まって居て、とうとう日本医師会も抗議をするらしい。私は最初、その検査キット発売開始の話を聞いた時に、これまでのように鼻の奥に綿棒を挿入して検体採取する方法以外での検査方法が何か提供されるのかと思ったんですが、どうもそうでは無く、これまでと同じ手順で検体を採取して、それをキットを開発した会社が検査するらしい。
PCR検査では、その精度と感度が問題になっていて、日本では闇雲に検査するのではなく、症状の状態やCT/MRI等で肺炎が疑われる患者に利用して、より確度を高める使い方をしています。それ故に、広く検査出来ないことを問題と指摘する人もいるけれど、物理的に可能な検査数やその有効性を考えると、私は今の使い方は正しいと思う。そんな中で、自分が感染しているか不安な人(今回は企業)向けにこのキットが発売される予定なんですが、最後の検査工程は専門家が実行するのだろうけど、一番肝心な検体採取の所が不十分では、その提供された検体の確かさも不明なわけで、それって意味があるのか大きな疑問。これがもっと簡便な方法で、例えば鼻をかんでティッシュペーパーに付いた鼻水を送付するとか、誰でも可能な方法で検体採取が出来るならまだしも、そうで無いならかえって混乱を招くのでは。
問題なのは、発売する楽天は空くまで「商品販売」しかしないので、検査結果やその後の影響に関しては責任を取らないみたいだし、検査キットの開発販売会社も正確な検査結果を保証するわけでは無く、責任もとらない旨言っているらしい。結局それって「検査して陽性陰性を判断する」のではなく、「検査した」ことで安心しているだけ。これで思いだしたのが、東日本大震災の後、福島第一原発の事故の後、日本中に「放射能の恐怖」みたいなものが伝搬して、日本中が一種異様な状態になったとき。日本中で「ガイガーカウンター片手に放射脳検査」する人達があふれ出して、それによって福島由来の放射能核種以外のものまで発見してしまい、結構な騒ぎになったこと。中には、ガイガーカウンター内蔵スマホを発売する携帯会社まで出てきたけれど、結局あの時に騒いだだけで何の解決にもならなかったし、逆に福島に対しての偏見や誤解さらには差別を助長する事になったと私は思っています。正しく恐れることは決して悪いことでは無いけれど、単に誤解を煽るだけの行為は犯罪に近い物があると思う。
確かに道の感染症に対しての恐怖や不安があることは否定しないし、そう感じることがある意味人間として普通だと思う。でも、今の日本の状況を見てみれば新規の感染者数は明らかに減りつつあるし、不幸にして亡くなる方も途切れないけれど、それも世界的な状況と比較すれば文字通り桁違いの結果を残してきている。日本人の中に何か抗体があるのか、元々の生活習慣なのか、その理由は不明だけれど、普通にマスクを着用して、うがいや手洗いを励行して、人との接触を避けるあるいは距離を空けるだけで感染は衰退する。仮に状態がおかしいと思えば、今では軽症者がどんどんホテル等病院以外の施設に入り、本当に必要な時の治療体制も徐々に整備されつつある。誰でも、自分が感染していないか不安なになることは分かるけれど、結局は不確かな方法で「陰性」と判断されても、それで感染が回避できるわけでは無く、次の日には知らないうちに感染しているかもしれない。どう言う意図や趣旨で楽天がこういう物の販売をするのか分からないけれど、結局は社会不安・不信を生むだけじゃ無いかという機しかしない。素人の私でもそう感じる位なんだから、専門家の人にとってはさらに深刻じゃ無いだろうか。
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