2020年4月2日

マルチ技能の社会

今回の新型コロナウィルスの状況は、良くも悪くも色々な社会変革、意識改革、インフラ基盤に対しての問題等、いろいろな課題が突きつけられている事も事実。その中で何度も感じるのは、余りに無駄排除、最適化社会を目指して、コストやリソースを削ったために、平時では問題無いかもしれないけれど、今回の様に何かあったときには一気にピークアウトして、システムが停止してしまう危険性を再認識したことでは無いかと。特に、感染者増加に伴い病院での受入患者数が飽和してしまう「医療崩壊」が言われているけれど、其れ以前から保険料圧縮のために、病院の数が減ってきて、医療従事者の疲弊が言われても今した。そう言う意味では、平時であっても、実はぎりぎりの所で回っていたのが、良くも悪くも今の時代だったんだなと再認識するわけです。

今回の新型コロナウィルス対策で、日本が良くも悪くも他国に比べて志望者数が少なく、上手く対応出来ている理由の一つに、他国と比べて数倍もの台数を導入しているCT/MRIで先に肺炎の状況を確認して、そこで一時スクリーニングみたいな感じで効率よく新型コロナウィルス感染者・非感染者を分離出来ていることが大きいと言われています。なんで、そんなにCT/MRIが多いのかというと、個人的には病院間の患者の取り合いというと言い方が悪いかもしれないけれど、そう言う高機能を備えた病院というのが、やはり患者から見た場合に「安心感」有るわけで、それがここまでのCT/MRI導入数に繋がっていると思う。別に、国全体で高機能医療を目指そうという訳でもなかったんじゃ無いだろうか。

ただ、それが今回は良い方向に転んだわけで、それはそれで良かったんですが、逆に別の病気で、実はCT/MRIはそんなに利用されないけれど、それとは別の「〇〇」という医療器具が必要なのに、それが日本では少ない、と言う事になれば状況は逆転します。また、先進医療機器があっても、それを使える、操作出来る人がいなければ意味が無いわけで、やはり今注目されている人工呼吸器など、1台で数名の人員が必要だったり、さらにECMOでは10名以上が必要とか、多分人員配置問題で利用出来ない状況が早晩訪れるんじゃ無いだろうか。それは、医療従事者が、それこそ何日も徹夜みたいな勤務をしないと、日常の入り用業務もこなせないのと同じ状況だと思います。

似たような状況は、会社組織にもあるわけで、そう言う場合一人二役三役みたいな感じで、複数の業務を兼務されて、互いにバックアップ出来る耐性を作る事で、安全係数を高めるわけです。ただ、少なくとも医療関係でそう言うことをやるのはなかなか難しい事も事実。でも、非常時には、何らかの資格認定を持った看護婦さんなら、簡単に治療行為診察行為は出来るみたいな、何か対策は必要じゃないかと。人工呼吸器が足りなくて、動物用の機器を改良して人間に使うみたいな話しも世界的には出てきているけれど、場合よったら獣医さんが簡単な治療を人に施すことも認めるとか、その為には技術維持とか資格維持の補助をするとか、やはり平時から色々なことを想定して準備しないと駄目だなと再認識しています。それこそ、自衛隊などの予備役招集じゃ無いけれど、転職した人も含めて臨時に職場復帰させる制度も必要かも。それは、医療関係だけで無く、産業構造に対しても同様と言う事も今回経験した経験値の一つな訳で、そう言う次のシステムを作りつつ今の状況に対処するにはどうしたらいいのか。今回は無理でも、10年ごとにこう言う感染症は流行するそうですから、その為の準備を今から始めないと。

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