2020年4月3日

マスクに騒つく

殆どの人にとって、唐突に発表された印象の、全国の家庭に布マスクを2枚ずつ配布するという施策。「2枚だけじゃ足りない」「マスクの前に休業補償」等の意見がわっと湧き上がる一方で、「病院、医療機関へのマスク確保した上での、当座の対策」「既に、様々保証・融資策は出ている」という冷静な意見も。実際、今回の「各家庭に布マスク2枚配布」に至った経緯は、当初のマスク不足に関して、

  1. 7億枚/月の供給確保
  2. 医療機関にサージカルマスク1500枚を先月と、今月配布
  3. 高齢者施設、障害者施設、小中学校にも順次支給開始
という状況に対して、まだ市中でのマスク販売が不足している現状から、当座の対策として再利用できる布マスクを配布するというもの。決して、マスク2枚だけの対策では無いし、ましてや個人休業補償の代替手段でも無い。しってか知らずか、「たったマスク2枚」と言う言い方は、個人的に憤る人がいることは理解する物の、少なくとも公共の電波やそれなりに著名な人がそう言うことを吹聴するのは、単なるデマゴーグにしかならないと思う。ましてや、少なくとも「メディア」と呼ばれる仕事をしている人間、その土俵で提供される番組などでそう言うことを言っているのは、よほど取材能力が無いか、よほど悪意があるのか、どちらかじゃ無いかという気さえする。

確かに、例えば厚労省の雇用調整助成金のページとか、官邸からのトップページとか、必要な情報は提供されているんだけれど、やはりそれなりに情報リテラシーが無いと、なかなかアクセスに繋がらないのも事実。政府としても、単に「発信」だけに留まるのでは無く、例えばYahooとか、各種ポータルサイトに目立つようなリンクを一定期間おいて貰うとか(それで、オリジナルへの動線が理解されれば、後は自然に流れてくるだろうし)、場合によっては民放も含めて、多分放送枠が空いているだろうから、それを30分でも15分でも買い取って、政府広報の時間にするとか。それも、杓子定規に情報を伝えるのでは無く、例えば仕事がない俳優さんとか劇団の協力を得て、実際に困っている場面毎に、その場合はこう言う方法がある、こう言う場所で相談できるような、より具体的なサンプルで伝えたらどうだろうか。出来れば、一回の放送は5分とか10分とか短くても良いから、全日の時間帯で満遍なく視聴者の目に触れるように、何度も放送するのが良いと思う。

本来なら、政府専用チャンネルみたいな物があって、そこで何度も放送するのが良いと思うし、実はNHKがそう言う役割を少なくとも担うべきだと思うけれど、そう言うことはやらないのかな。それこそ、ある意味デマ拡散に近いような朝のモーニングショーの前後に、そう言う政府広報の時間を入れたら、結構気がつく視聴者も多くなるのでは無いだろうか。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺があるけれど、それに近い現象だと思う。SNSが発達しているから、良くも悪くも、言い情報も悪い情報も拡散するんですが、特に悪い情報に関しては良い情報の数倍、数十倍で拡散していくような気がします。昔、口伝えと新聞・ラジオくらいしか無かった時代でも、こう言う流言飛語が飛び交ったわけで、SNSという飛び道具がある現在は、もっと厳しい時代なのかもしれない。まぁ、「マスク2枚」の話で、その人の情報リテラシーを測ることが出来るんですが、そう言う尺度が入らなくなる、自然に身につく社会になるには、まだまだ時間が掛かりそうですね。

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