全国的に休校が続き、G.W.明け暫くはその状態が続くことが予想される現在。このままでは、今年の学生・生徒の学習機会が激減し、学力低下が危ぶまれる状態が危惧されて、その対策として「9月新学期」の話が急に出るように。以前から、時々思いだしたように登場する「9月新学期」説。その最大の理由は、世界の殆どの地域・国では、9月新学期開始、6月卒業のパターンが一般的だから。日本のように、4月新学期というところは、7ヶ国・地域だけとか言う話も聞いたけれど、これって別に季節の違いだけでは無いらしい。
一つは、日本から海外の学校に留学する場合は、3月卒業9月新学期で半年近い余裕があることはメリットになるんだけれど、逆に海外から日本の大学などに留学する場合は、6月に卒業すると翌年の4月迄入学できない。それが嫌で、日本の学校に来ることを躊躇する人も多いと言う話は以前から聞く話。これ、学校だけで無く、海外の学校を卒業して日本の企業に就職しようとする場合も同様で、最近でこそ中途採用とかも盛んだけれど、以前はほぼ一年間間が空くことに。その間、インターンとか、まぁ方法も無いことは無いのだろうけど、やはり直ぐに仕事をしたいと言う人には不便な制度の違い。学業だけで無く、優秀な人材確保にも影響するとなると、学校側だけで無く企業側もそれなりに興味を持っていて当然でしょうね。ただ、それでもやりようはあると思うわけで、例えば「卒業見込み採用」とかで採用して、卒業と同時インターンとか仕事を始めても良いと思うし、学業だって「転校」の場合は、年度都庁で学校を移ったりする事もあるわけだから、それに準ずるとして編入してもいいんじゃ無いだろうか。
現状に合わせて新しい仕組み、より良い仕組みを考えることは良いことだと思うけれど、それが今の一斉休校の対策として出てくることは一寸違う気がする。仮に安全のために6月位まで一斉休校して、夏休みの後9月から本来4月から始まる予定だった「2020年度」の授業を開始することは可能なんだろうか。学校単体だけで考えれば、年間のスケジュールを4月から9月まで5ヶ月スライドすれば良いのだろうけど、年間の行事予定も変わってくるだろうし、特に6年生とか3年生は、卒業後の進路も関係してくるから、次の学校が9月新学期に対応してくれるのか、就職先はどうなのか、波及して対応しないといけないことも沢山。とても、数ヶ月の準備で可能とは思えないし、今の一斉休校への対策としても大がかりすぎる。今後数年間の議題として、今回を切っ掛けに議論や検討をスタートするなら良いのだけれど、それを今年にどうしようという話しをしだすと、結局は内容が発散してこれまでのように立ち消えで終わりそうな気がする。それに、来年の冬に今回ほど新型コロナウイルスが流行しなければ、あるいは何か治療方法が見つかっていたら、多分来年は「やっぱり新学期は桜の季節が」という話がぶり返してくる気がする。
今考えるべき対策は、やはり「オンライン授業」とか「リモート学習」みたいな、家庭でやらざるを得ない状態の解決じゃ無いだろうか。勿論、家庭学習だけでは不十分だから、例えば全員一度では無く、学年単位で学校に登校するとか、幸いにもこれから気候的には暖かくなるから、野外授業とか体育館などで通気を良くして集団受講するとか、色々工夫することの方が優先順位は高いのでは。以前聞いた話では、オーストラリアでは国土が広すぎる余り、在宅で授業を受けるのが普通とか。そういうKnow-Howを今回を機会に参考にしてみるとか、その為にネットワークが必要なら、それこそ政府が援助して「学校-家庭ネットワーク」なんて構築してみるとか。そうそう、既に「通信教育」という物が存在しているんだから、それの小学校版とか中学校版を、これを機会に作っても良いのでは。個人的には、「9月新学期」という長期の目標を、短期のというか直近の解決策として今議論するのは、時間とリソースの無駄のような気がする。それは、もう少し時間が過ぎて落ち着いてから、今回の様な状況を想定しての解決策として、しっかり腰を据えて話し合いべきテーマだと思う。
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