2020年3月9日

国内回帰

新型コロナウィルスのために、中国やその他幾つかの地域からの出入りが厳しく制限されていますが、人だけで無く物の移動もそれに合わせて動きが止まってしまう。特に中国の場合は、世界の製造工場の役割があるのに、そこからの流通だけで無く人の移動が止まっているために物を作る事も出来なくなっていて、これは今回の感染騒動が収束しても、後々影響が残るんじゃ無いかという気もします。

その為、中後に出ていた製造設備やシステムを日本に戻す動きが出てきていますが、これは少し前から国内賃金の逆転もあって、多くのメーカーが「国内回帰」を始めていたとき。ただ、とは言っても全てのものを国内に戻せるわけでは無く、ある程度付加価値が高くて高価格なものは良いとしても、流石に大量生産品とか低価格帯の製品などは、国内に戻すのは難しいのでは。

さらに、国内回帰すると言っても、国内の生産体制を準備するまでの手間と時間も無視できない。以前有った下請けなどは、一緒に中国に出て行って再び日本に戻るとなってもなかなかそのコストは厳しいでしょうし、場合寄っては廃業してしまっていることも。一度失われた技術を取り戻すのは大変なわけで、そこからの構築となるとさらに手間とコストが要求されます。いかに国内に残っている技術継承の機会を集めてまとめて再活用できるか、大変だと思うけれど、ネットワークを使って小さな塊を集めて大きな仕事に振り分けるような仕組みがこの機会を利用して逆に可能になるかもしれない。

色々理由はあるんだろうけど、結局は中国に一極集中していたことが問題なわけで、リスク分散とか技術の継承みたいなものが一気になくなったのがここ20~30年でしょうか。それがそのままバブル崩壊後のデフレ時代となっているわけで。これからどう解決していくか難しいところ。さらに日本国内では、働き方改革の一環で、同一労働同一賃金が進むと、労働力費用をカットしてコストを下げるという昔の手法も通用しない。だから、単純に昔のモードに戻して国内回帰する事は出来ず、新しい「何か」を国内で新たに作り上げないといけない。それって、結局は新しいビジネススキームを作る事になるわけで、ニュース等出簡単に「国内回帰」と言うだけの話では無いと思うのだけれど。政府の肝いりで、これから色々な動きがあるんだろうけど、かなり根本からデザインし直さないと、結局は戻ってきたけれど失敗したで終わりそう。

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