2020年3月7日

病院船より病院トレーラー

新型コロナウィルスの対策や今後のプランの一つに、「病院船」の話が登場しています。病院設備を備えた、船を作り、必要な場所、例えば今回の場合ならDiamond Princes号が着岸していたい横浜大黒ふ頭に移動して、必要な治療を施すというもの。確か、9年前の東日本大震災の時にも話題になっていたはず。基本的には、軍隊が保持するようなもので、米国は大型の病院船を保有しているらしい。当然その理由は、「戦闘」という、怪我人あるいは死傷者が発生する可能生が高い場面が想定されているわけで、かつ維持費や運用にも費用が掛かるので、民間で維持するには厳しいだろうから。

確かに、そう言う設備を日本も持って、何かの非常時に活用できれば良いとは思うけれど、個人的に感じるのはそれは一寸不便ではないかという事。米軍のように、世界中に展開することを想定しているなら、その場所場所で必要な治療行為が出来るようにこのような設備を準備しておくことは必要だと思うけれど、自衛隊の場合は原則として海外に出て行って、そう言う設備が必要な場面は想定されていないはずなんですよね。仮に、国内の災害派遣を想定するとしても、病院船が移動してその場所に近づける設備が必要。どこでも接岸できるようにしたら、多分病院船のサイズ・規模は小さめになり活動に足りない部分も出てくるだろうし、大型の船舶にすると、やはり利用出来る港は限定されるだろうし。また、今回のDiamond Princes号の場合、乗客・乗員合わせて3,700名余りいたわけで、その規模の人員を診察治療するとなると、そのDiamond Princes号以上の規模の船舶が必要になるでしょう。でも、総トン数で比較しても、Diamond Princes号が11万トン余りなのに対して、海上自衛隊の最大艦船のいずも型でも満載時でも2万6千トンと、5倍位違う。一寸考えただけでも無理そうな気がします。

そこで思ったのか、医療機能毎にその設備を搭載した、トレーラートラックを作ったらどうだろう。例えば、診察用トレーラー、手術用トレーラー、CTスキャン用トレーラー、減圧隔離治療用トレーラー、それら設備を賄う発電用トレーラー、トレーラーの外に例えば待合室とか簡易的な施設を組み立てられる資材を搭載したトレーラー、水浄化設備を搭載して、海水や汚水からでも自らも必要な水やお湯を準備出来るトレーラー、等等、機能毎にそれぞれ役割を与えて、必要な時に必要なトレーラーを組み合わせて送り込む。勿論、トレーラーのサイズによっては山奥とかそのまま移動出来ない場合もありますが、だいたい通常の道が通っている場所なら、展開可能になると思うのだけれど。また、それぞれのトレーラーは独立して利用可能な状態にしておけば、平時は診察用トレーラーが全国の過疎地域を巡回して医療サービスを提供してもいいし、発電トレーラーも、停電した地域にそれだけで移動しても良いだろうし。将来的には、無人運転でトレーラーだけ移動出来るようになれば、医療従事者が運転して移動する負担も軽減できるだろうし。さらに言えば、そのトレーラーのサイズや重量にも寄るけれど、空輸だって可能になるだろうし。

行ってみれば、機能毎にモジュール化して、それらを組み合わせて最大の効果がでるようにするのが目的。で、トレーラーだから、それらを例えばフェリーとか海上自衛隊の輸送船やヘリ空母に搭載すれば、そのまま「準病院船」にする事も出来るんじゃないかと。こう言う設備は、遊んでいる時間は出来るだけ減らした方が運用コストも下げられるから、平時にはフェリーに搭載して、それこそ全国巡回しても良いだろうし、CTスキャン用トレーラーなどは、一般の小規模な病院へ貸し出しても良いかも。今の所、そう言うアイデアで実現しているのは、レントゲン車があると思うんですが、あんな感じでLEGOブロックを組み上げるみたいなイメージで、規模とか内容が幾らでも組合せできる「モジュラーホスピタル」構想って、何処かで実現してくれないだろうか(笑)。

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