2020年1月9日

ゴーン会見

昨日日本時間の夜遅くに行われた、前日産会長のカルロス・ゴーン氏の会見。日本のメディアでは、テレビ東京だけが会見場所に入れたと言う事で、テレビ東京だけが映像を流していたけれど、テレビ朝日も何処かの海外メディアから映像を貰っていたのか、一寸会見の様子を流していました。最初見ていたんですが、何かあれだけ事前に「証拠がある」と言っていたのに、結局は「自分は無実だ、悪いのは日産と検察だ」という事を、言葉を換えて何度も繰り返すだけで、決定的な一言は何も無し。「政府高官の名前も」と言っていたけれど、レバノン政府に配慮してと言って、それも無し。

この会見は、最終的に二時間半位行われたそうですが、もう最初の15分位でお腹一杯。内容以前に、ゴーン氏の立ち振る舞いが、日産の新製品発表場面みたいな感じで、全然内容が頭に入らない(笑)。商品発表プレゼンの場合は、自分達からの情報発信という、ある意味一方通行のやり方でも良いんだけれど、今回の様な「会見」の場合は相手からのフィードバックも受けつつ、相互に理解しつつ進むみたいな無いようにならないと、プレゼンの内容が空虚に感じてしまうのだけれど、今回はまさにそんな感じ。結局、大金を使って違法行為までして日本から脱出したけれど、それを正当化するだけの証拠というか理由は無かったんだな、だからブラフして自分は無罪とずっと言い続けるしか無いんだろうなぁというのが正直な感想。

流石に今回の件は、「不法出国」という日本としても看過できない具体的な犯罪行為直後の会見だけに、直ぐに検察法務大臣も深夜なのに反応して、反撃したけれど、日本側も折に触れて何度も反論を繰り返してメディアに周知させていかないと、結局はメディア側の興味・面白さでゴーン氏が優先されて、彼の主張だけが、正しいか正しくないかは別にして、広まっていくんでしょうね。今の所、裁判が行われる可能性はほとんど無いだけに、今後は情報戦が激しくなるのかもしれないけれど、多分そうなると今回の発言内容以上の情報のないゴーン氏側は、それを繰り返すしか方法が無いわけで、案外墓穴を掘ってしまうかもしれない。結局は、自らの経済犯罪問題を、日本での司法による人権問題にすり替えて、そう言うものに敏感な欧米メディアの応援を得たい感じだったけれど、そんな雰囲気もそんなに生まれていなかったし。

結局は、20億円とも言われているコストを使ってでも、兎に角日本から出たかった人物の良いわけに、どれだけ信憑性があるのかと言う事ですよね。保釈金とも合わせると、40億円近くものお金が無くなるのに、それをいとわないだけの理由となると、やはり自分の後ろめたさという物が一番大きいんじゃ無いだろうか。自信があれば科目になるし、自信が無ければ色々な手を使って相手の目をそらそうとするのは、どんな場合にも当てはまる普遍の定理の一つだと思う。そう言う意味では、「日本脱出」という最大の花火を打ち上げてしまったゴーン氏が、自らの潔白を証明するにはかなり難しい気がする。と言うか、出来ないから安全地帯に逃げ込んだ、と考えるのが、今回の会見を見ても一番感じることですよね。


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