2019年12月16日

新国立競技場

この週末の大きなニュースの1つが、完成してお披露目された「新国立競技場」について。設計した、建築家の隈研吾氏も幾つかの番組に登場して、いろいろと説明していたけれど、個人的にはまだ前の国立競技場のイメージが残っているので、ちょっとまだしっくりこない。前の競技場は、1964年の東京オリンピック開催に合わせて準備された物で、中学・高校と陸上競技をやっていた一人としては、全国大会が開催されるあの「国立競技場」で走るのが夢の1つ。残念ながら、個人的には高校の時にその一歩手前、東海大会で脱落して、国立競技場で走ることは敵わなかったけれど。

今回の国立競技場で思うのは、その前のイラク人建築家のザハ・ハディット氏がデザインした「幻の国立競技場」。余りに未来的なデザインで物議を醸し、そこに怪しげな何とかエコノミスト氏とか様々人達が絡んで、最終的にコストが割高と言う事で再設計となり、今回のデザインに落ち着いたけれど、あの時のプロセスが本当に適切な物だったのか、誰かが何処かで検証した方が良いんじゃないかと、今では感じますね。だって、その時に騒いでいた人達って、その後の豊洲移転でも同じように騒いで、二年間を無駄にしたわけだし。ただ、そう言うことがなかったとしても、あの未来的なデザインの競技場が、どちらかというと自然豊かな古い感じの町並みの、あの神宮あたりにマッチするかと言われたら、それは一寸疑問な気もするけれど。お台場とか、葛西当たりに新規に建築するなら、それは良いと思うんですよね。ただ、あの場所にあのデザインというのは、古い世代の感覚かもしれないけれど、一寸異質な気がする。

元陸上選手としては、東京2020では陸上恭賀が開催されるけれど、補助トラックがないために、その後の国際大会には使用出来ないという話があり、陸上の聖地としての以前の国立競技場が無くなり、新国立競技場も期待出来ないとなると、陸上競技はどうすれば良いのかと小一時。なんせ狭い場所に、国立競技場だけでなく、野球場とかラグビー場とかもあるわけで、神宮野球場もいっその事お台場当たりに新野球場を作って移転した方が、設備的にも良いものが出来る気がするけれど、やはりここまでの伝統とか、色々柵みがあるんだろうなぁ。

東京2020後は、陸自用競技用のトラックが撤去されて、サッカーなどボールゲーム専用グランドすると言う話が、天然芝ではコンサート機材の設置が出来ないという理由で、陸上用トラックはそのまま残すことになったり、どうしても詰めの甘さを感じるばかり。さらには、年間維持費が24億円と、同規模の施設と比べて倍以上というのもこれから問題になりそう。東京2020から暫くは、そのネームバリューもあって、コンサートとか利用機会は増えるんでしょうけど、それがいつまで続くか。まぁ、交通の便は一番なので、閑古鳥が鳴くことは無いと思うけれど。スポーツでの最初の利用「こけら落とし」は、来年1月の天皇杯サッカー決勝とのことだけれど、東京ドームが出来るまでは、ライスボウルも以前の国立競技場(国立霞ヶ丘陸上競技場)で開催していたんですね。フットボールも、何かの大会を開催してくれないだろうか。ちょっと期待したい。

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