2019年12月3日

シンクライアント

野党が追及している「桜を見る会」関連の話題。名簿はすでにシュレッダーで裁断されて廃棄されているから、それなら電子データを出せと主張する野党達。それに対して政府側は、当該事案はシンクライアント環境で作成されており、既にデータは消去されていて復元不能という回答。ここで突如登場した「シンクライアント」なるキーワードにTLはざわざわしているのですが(笑)、その反応に何パターンかあって興味深い。

まずは一番シンプルな「端末にデータを保存しないシンクライアントなら、データがなくても仕方ない」というパターン。場合によっては、OSも含めてサーバーからダウンロードして、端末側ではデータのI/Oしか行わないシンクライアントなので、以前の事案のように省内のパソコンのHDD/SSDを探索してデータをかき集めると言う事は出来ない。

その次は、「だからサーバー探せば」というパターン。端末にデータ保存せずに、サーバー側で全て管理するわけだから、当然サーバー側にはデータが残っているはず。これは至極もっともな考えですが、サーバー側の仮想マシンにしても、リソースの都合上そんなに潤沢に割り振れるとは思えないし、優先度的にもそんなに高いとは思えない「桜を見る会」のデータを、どれだけの期間保存しておくのかは分からない。まぁ、紙データを廃棄した時点で、電子データも廃棄した、と考えるのが普通でしょうね。

で、さらに根深いのは、「サーバーのバックアップデータを探せば残っているかも」というパターン。これも確かにそうだけれど、バックアップを取る頻度とそのバックアップデータの保存期間というのは、なかなか悩ましい問題。バックアップを取る頻度は、毎日が理想的ではあるけれど、その分のオーバーヘッドがシステムパフォーマンスに影響するかもしれないし、データ量だって馬鹿にならない。差分データだけ取得するにしても、それなりに時間はかかるでしょう。また、その取得したデータを、どれだけの期間保存するかも問題なわけで、仮に差分データが全体の数%であっても、10回もバックアップをとればシステムソリース全体の何割も占める位の容量になるわけで、その保存装置なり保管メディアだって馬鹿にならない。仮に今回のデータを5月の初め位に削除していたとすると、すでに半年以上経過しているわけだから、よほど重要・優先データと指定していなければ、既にバックアップからも削除されているだろうなぁ。

私自身、この「桜を見る会」は下らない単なる野党のいちゃもんだと思っているけれど、仮に追求する側だったとしたら、当該データを含むサーバーデータのバック体制(頻度、内容、保管方法)を問いただして、その中で残っている可能性のある物を指摘するでしょうね。例えば、差分データだと更新されないと表れてこないけれど、何回も差分だけ取っていると、その間の履歴全てを保存しておく必要があるし、その為には何度かに一回は全体バックアップを作成するはずで、そこに残っている可能性もあるはず。と言うか、毎年やっているお役所のイベントですから、必ず次の年用に雛形みたいなものは残しておくだろうし、場合によってはサンプルとして一部データは次の年次用に何処かに保管してあるような気もするけれど。いずれにしても、野党も以前はやっていた話だし、追求するメディアにしても、自分達もジャパンライフの広告などでお先棒を担いでいたことを忘れていることには、かなりのご都合主義だとしか思えないのだけれど。自分達も、以前のデータが出されたら困るんじゃないの。それでも、あえて相手を落とせれば、自ら返り血を浴びても良いというのなら勝手だけれど、毎回そのブーメランで相手以上に返り血を浴びて瀕死状態になるのがお約束なので、今回もそうなんだろうなぁと言う予定調和しか思い浮かばない。

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