2019年12月20日

海水由来バッテリー

米国IBMのIBM Researchが、海水から抽出する新しいバッテリー素材を発見したという記事。海水中のどんな要素が利用されているのかは分からないけれど、これまでのバッテリー素材で使用されていた重金属を使用しないので、安全性、環境性、コスト等で優位とのこと。コスト、受電時間、エネルギー効率、低燃焼性などで、既存のリチウムイオン電池を上回るということなので、実用化・商用化されたらかなり大きな影響を生みそう。個人的には、電気自動車も良いのだけれど、家庭用に太陽光発電と組み合わせて、停電時でも一週間位そのまま宅内の家電製品が利用出来る位のバッテリー装置に繋がらないだろう。特に、コストの面で有利なら、価格も下がるし、その分大容量化も可能だろうし。

IBMの話題では、並びの記事では、東大にIBMの量子コンピューターが設置させると言う記事も。来年中には稼働するということだけれど、どう言う研究成果が出てくるんだろうか。量子コンピューターと言っても、まだなかなか一般には馴染みがなく、言ってみれば「AI」のように、「なんだか分からないけれど凄い物」という印象しかないのも事実。創薬とか暗号とか、これまでもその利用方法は色々言われているけれど、それこそ新しいバッテリーの組成構造のシミュレーションとか、さらなる新素材の解析とか、それこそ協業したらもっと良いものが出来てくるかもしれない。

閑話休題。「海水由来」と言うけれど、それって地域性とか関係するんだろうか。例えば、太平洋側と日本海側では微妙に海水組成も違うだろうし、南と北の海でも成分内容が全く同じというわけでもないだろうし。まぁ、この辺は特許とかも絡むんだろうし、なかなか直ぐには開示されないんだろうけど、どの程度の性能のバッテリーなのか、その辺は役発表して欲しいですよね。ただ、開発協力先が、ドイツのMercedes Benzや、中国のSidus Energyと、日本メーカーが関わっていないのが残念というか、何か戦略的な計画とかあるんだろうか。

ふと思ったんですが、海水をプールに貯めて、そこで由来成分を濃縮して「充電プール」みたいなものは出来ないだろうか。重金属類だと環境や安全性を考えないといけないし、希少金属でもあるから大量に準備するのも大変だけれど、海水由来なら事実上海から幾らでも組み上げることが出来るし、安全性も高いなら有る程度簡易的な設備でも充電できるんじゃ無いだろうか。で、大容量の充電設備を地区とかブロック毎に設けて、万一の場合は区画単位で放電すると。まぁ、それは冗談としても、これまでのリチウムイオン電池を集合させて使うよりも、より多くのセルをまとめられんじゃ無いだろうか。となると、非常用電源として家単位が拠点単位に拡大できれば、メリットは大きくなる気がします。しかし、IBMは色々なことをやっているなぁ...

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