2019年11月21日

香港騒乱

連日伝えられる香港での動乱の様子。我々世代が抱く「香港」のイメージは、中国の一部でありながら、長く英国の統治下にあり、英国領の文化と社会システムが導入されていて、特に金融と観光の面で世界的な地位有る、ある意味日本よりも「発展」した都市国家、というもの。それだけ成熟していた社会であったのに、英国から中国に返還され、「一国二制度」を50年間維持するという約束もしたのに、20年ほどでそのシステムが崩壊しつつある状況の責任者は、誰なんだろうか。

国際的な情報に詳しい訳では無いけれど、最初の10年位は「一国二制度」の名の下、それまでの英国の統治から中国による統治という「名札」が代わっただけで、内容はそのままの時代が続いたわけですが、その時に香港の人は「安心」という誤解を何となく生んでしまったんじゃ無いだろうか。その10年が15年になると、段々と中国の影響力が大きくなってきたけれど、でも現地の人は「それでも香港は香港」みたいな印象を疑いなく持っていた気がする。それが20年経つと、明らかに危機感を抱き始めたわけで、その時には殆ど時遅しと言う状況に気がついた、と言うような印象を受けます。

ただ、最初は平和的な集団でのデモ行為だったものが、理由はどうあれどんどんエスカレートしていって、今では完全に騒乱状態。死亡者も出てきているけれど、その理由の一つには警察の強制的な排除作業もあるように見えますか。まだ香港警察の介入で、人民解放軍は投入されていないようですが、でも裏では何となく介入機会を作るために画策しているんじゃ無いか思うのは、軍事小説の読み過ぎ? でも、警察関係者がデモ隊に偽装して騒ぎを起こして、エスカレートさせているという証言や映像も出てきているので、正直簡単に沈静化させるのでは無く、騒乱状態を維持して拡大していくことに、何か意図があるような気がします。

米国の議会では、香港の状態に対して異議の議決が成されたけれど、日本では香港どころか、国内の課題すらほっておいて、パーティーの話ばかり。本当、お目出度いというかお花畑だと思う。辛うじて維新の会が香港に対しての発言を出したみたいですが、日本国としても東京農大の学生が逮捕されたりと、日本に影響が出ているわけですから、何らかの立場表明は必要なのでは。でも、来年に習近平氏の国賓訪問が控えているので、結局は事を荒立てたくないだけなんだろうか。でも、やはりこのタイミングで国賓待遇での招致はおかしいと思う。少なくとも、香港の騒動が解決しないのであれば、招致は保留するべきでは。少なくとも、そう言う意向を相手に仄めかすことで、多少のプレッシャーは与えるべきじゃ無いだろうか。麻生さんや安倍さんが提唱している「自由と繁栄の弧」に、香港も含まれると思うのだけれど。

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