2019年10月18日

コモディティとバラエティ

ITmedia、杉山淳一氏のコラムから、JR東日本の新幹線車両のパラエティについて。今回の台風被害では、幾つもの衝撃的な映像が連日テレビなどから流れたけれど、あの長野の新幹線車両基地で水没している北陸新幹線の車両の映像も、その一つであることは間違いないですよね。

記事を読んで初めて知りましたが、東日本の新幹線車両はそれぞれ独自期間のものが走っているんだ。いゃ、山形新幹線と東北新幹線が違うくらいは実際に利用したこともあるから分かるけれど、基本はベースの車両というか足回りは共通で、上物が塗装も復命それぞれの路線でユニークなのかなと思ってたんですが、走っている距離も地形も違うから、結構違うんだという事を知ってビックリ。今回、外にあった7編成に室内の3編成、合計10編成120両が水没して最悪使用不能になるかもと言うニュースを聞いたときに、「あぁ、暫くはたの路線の新幹線車両を融通するんだろうなぁ」と思ったんですが、事はそんな単純じゃ無いんですね。

JR東海の東海道新幹線は、東京-新大阪の1路線だし、JR西日本の山陽新幹線、JR九州の九州新幹線も、今の所1路線なので、車体の共通化は簡単なんだろうけど、JR東日本の新幹線路線は大宮からどんどん枝分かれしていくからなぁ。JR東海は、今の東海道新幹線に、後はリニアを通したらそこからの派生路線は考えていないだろうけど、JR西日本は北陸新幹線の延伸もあるし、場合によっては山陰新幹線とか(これは無理か)、四国新幹線とか考えているんだろうか。北陸方面への大動脈が止まってしまい、航空会社が臨時便を出したり、静岡経由の路線が臨時運用されたりと、なんとか工夫して影響を最少化しようとしているけれど、一度切り替えたものを保管するのはなかなか大変。

最初から冗長化を考えて、以前の仕組みなりバックアップを準備していればまだしも、効率化のために切り替えたら昔のシステムは廃棄するのが普通ですしね。それでも、今回の場合は線路は問題無い(信号施設の復旧は必要だけれど)のだから、上を走る車両さえ手当てできれば取りあえず物流は復旧できるけれど、その車両がユニークなものであるから対応が難しいというのは、何とも悩ましい。そう言う矛盾というか相反するジレンマが分かるのが、こう言う災害の時というのも困ったものですよね。有り余る予算とリソースがあれば、対策は幾らでもあるんだろうけど、それが出来ないのは仕事でも十二分に経験しているしなぁ。汎用化、標準化は常に要求されるけれど、それによって製品の魅力も平準化されてしまうんですよね。記事では、すでにJR東日本は車両の共通化を始めているそうですが、逸れも復命一日も早い復旧を祈るばかりです。

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