三陽商会が、海に捨てられたペットボトルなどのゴミをリサイクルして作る新たな衣料品ブランドを、来年春から展開するというニュース。一緒に紹介されていた、ユニクロも同様にペットボトルや古着などをリサイクルして、再生衣料品を販売するということで、これは衣料品界隈ではトレンドになっているんですね。
環境問題になっているプラスチックゴミや、古着などを再利用して、また利用出来る「商品」にして循環させるエコシステムは、環境だけで無く資源の有効利用という意味では意味のあるものだと思います。でも、個人的に一寸引っかかっているのが、ペットボトルなどの資源ゴミを再生するのは良いのだけれど、衣料品にするのが本当に良いことなのかと言う事。環境問題のビデオなどでは、海に浮かぶペットボトルとかビニールとか、あるいは最近ではストローなどが象徴的に取り上げられているけれど、実は海洋汚染で一番多いのはそう言うものよりも、人工芝とか化学繊維などの微細破片だったという調査結果が、確か以前有ったはず。ペットボトルなどは、サイズが大きいから目立つわけですが、実は目に見えないような微細な環境ゴミが、一番自然に影響しているという話。
自分達も人工芝のグランドにお世話になっているので、複雑な気持ちはあるんですが、本当はそう言う微細なものを回収する方法を考えないと、それが魚などの海産物が取り込み、それを人間が食べて、蓄積していく、と言うサイクルが出来てしまう。勿論、大きなゴミを出さないことも大切だし、それによって影響される環境汚染を防ぐことも重要ですが、やはり一番影響の大きいところを解決しないと、知らないうちに取り返しのつかないことになっているような気がします。少し前に、洗顔石鹸などに含まれる極小のビーズが、そのまま海に排出されていて魚介類に取り込まれて再び人間の体内に戻るという問題があり、その後極小ビーズの素材を、プラスチック系から自然で分解される素材に変わっていったと思うんですが、そう言うことをもっと広範囲にやらないといけないんでしょうね。
ただ、例えば人工芝を自然で分解されやすい素材にしてしまうと、折角耐久性のある人工芝にしたのにそれが天然芝のように一定期間毎に張り替えたりしないといけなくなってしまう。そのあたりのジレンマをどう解決していくかですよね。例えば天然芝への水やりのように、特殊な溶剤を人工芝に振り掛けている間は人工芝の強度や性質は維持されるけれど、それが無くなると自然に分解するとか。または、海水に反応として分解する性質を上手く組み込めたら、一番良いのかもしれない。人間の知恵で生み出したペットボトルなどの素材の利便性を、さらに人間の知恵でより安全なものに変えるということを、もっと考えないといけないのかも。
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