2019年10月7日

オリジナル

最近では夏場の作業現場での必需品「空調服」に関しての、委託先との騒動に関しての記事。製造委託先の「株式会社サンエス」としては、どういう勝算があって開発元の「株式会社空調服」を訴えたんだろうか。もしかしたら、これまでも同様の事を委託元に対して訴訟を起こして、そこそこ利益を上げてきたので、今回もと言う下心が生まれたんだろうか。

記事によれば、訴えられた形の開発元の「株式会社空調服」側では、しっかりと開発記録を残していたし、特許申請もしていて完全に必要な証拠が揃っていたので、裁判でも勝訴したとのことだけれど、有る程度そう言うことを分かってる人で無いと、中々そこまで資料を残せないし、いざ裁判となったら怖じ気づいて妥協して舞うことの方が多いんでしょうね。自分も仕事柄、OEM/ODMとかEMSの経験があるけれど、特にOEMの場合は、知らない間にこちらの技術やデザインが、ライバルメーカーの製品に流用されていたり何て言うことは何度か経験しています。まぁ、幸い当時はうちの会社も世界的なメーカーだったから、徹底的に法務部門が仕事をしてくれたけれど(笑)。

確か「ガイアの夜明け」だったと思うけれど、もう結構以前の番組で、ファストファッションのユニクロに対抗して、安いカジュアル服を販売するメーカーの特集があって、その時に「なんで安いユニクロよりもさらに安く製造出来るか」というような話をしていました。で、メーカー側の回答が「大量製造する大手メーカー(名前は出さなかったけれど、ユニクロなんだろうなぁ)の製造ラインの空いているときに、自社の製品を製造して貰うので安く高品質で製造販売出来る」みたいな事を言っていたんですが、それって大手メーカー側枯らしたら契約違反なのではないかと当時思った気がします。まぁ、当時はそんなことまでやって、鵜の目鷹の目で相手を出し抜く方法を探していた時代でしたからね。

当時は、中国での製造というのは、兎に角コストが安いことが魅力で、品質とかデザインとかは結構二の次。品質が必要なら、台湾のメーカーと組んで、その台湾メーカーに中国に合弁会社を作らせて品質担保させたり、デザインが必要ならその部分は自社開発にして、逸れ以外の部分をOEMにするとか、それが普通のやり方。でも、流石に何年も数をこなして、それなりに鍛えられてきたから、今の中国の製造技術は品質にしてもデザインにしても、決して欧米や日本のメーカーに引けを取らないレベルに。今回は日本国内の話だけれど、国際的なケースの場合には、OEMした自社製品を、それをベースにさらに上〇製品を相手が開発して、それに駆逐される、見たいな事は普通に生まれてくるんじゃ無いかと思いますね。上手く利用出来れば双方にメリットがあるWin-Winの関係が生まれるんですが、今の状況では日本側が搾り取られて終わりのような気がする。そうならないためにも、もっと世の中を広く見ないと生き残れない厳しい時代なんですよね今は。

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