2019年10月10日

リチウムイオンでノーベル賞

今年のノーベル化学賞に、リチウムイオンバッテリーを発明した、旭化成名誉フェローの吉野彰氏ら三名に授与されるというニュース。ここまで発表された、医学賞、物理学賞では日本人受賞者は出ず、今年は駄目かなと思ったら、ある意味日本の得意分野の化学賞で、また受賞者が出たことはうれしい事です。今年は、最後に発表される経済学賞でも日本人の候補者があるとの事で、そちらも楽しみ。

「リチウムイオンバッテリー」と言えば、ハイブリッド車や電気自動車は勿論、ノートブックパソコンには欠かせないし、さらには当初トラブルが発生したB787にも搭載されている。今の世の中、色々な製品や場所に使われていて、必要不可欠なもの。私が社会人になって、暫くしてからノートブック型パソコン(当時は、ラップトップ(Laptop)パソコンと入っていた)の開発が始まり、その当時は「ニッケルカドミウム(ニッカド/NiCd)バッテリー」を使っていました。当時は容量も少なく、逆にシステム側の消費電力も多いから、1時間も持たなかったけれど、それでもコンセントが無い場所でもパソコンが使えたのは脅威でした。

ニッカドバッテリーは、メモリー効果があって、充放電を繰り返すと見かけの満充電状態がどんどん減っていき、結構使いづらかったけれど、代替方法が無かったから仕方なかったんですよね。逸れ以外というと、自動車に搭載している鉛バッテリーしか無かった時代だったから。その後、ニッカドから、ニッケル水素(NiH)バッテリーが登場して、これは容量も大きくなり、かつメモリー効果も少なかったから、一気に普及。低コストのニッカドモデルと、高価格だけれどバッテリー性能の良いニッケル水素モデルと、二種類並んでいた時代でしたね。で、その後に、現在のリチウムイオンバッテリーが登場。一気に性能アップするとともに、メモリー効果もほとんど無くなり現在に至るわけですが、リチウムイオンも、小刻みな放充電は体(=バッテリー)に悪いとか、100%充電では無く90%とか85%位まで充電して使えとか、色々まだクセもあるんですよね。でも、今の「電化生活」を支えている要素の一つであることは間違いない。

福島の原発事故で、当時普及を始めていた「オール電化」が一時停滞するんですが、その後自宅太陽光発電と、こう言うリチウムイオンバッテリーとの組合せで、万が一の時には自律発電して生活できるようなシステムが出来つつあります。個人的にも、もし自宅を改築するような場合には、そう言うシステムを導入して万一の時に備えたいと思っているけれど、まだまだノートパソコンのようにACとバッテリーを効率よく利用出来る状態にはなっていません。今回の受賞をはずみに、そういう「エコ」なシステムが発達して普及すると嬉しいのだけれど。

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