2019年8月9日

手作りの重要性

ITmediaの記事から、「粒子加速器」を自作した高梨宇宙氏の話。まずは「粒子加速器」「自作」と聞いて、「嘘だろう?!」と思ってしまうんですが、本当に作ってしまったんですねぇ。記事の冒頭にもあるように、我々が見て知っているのは、巨大な装置であるもので、それがこんな小型に組めるのかというのが最初の疑問。でも、原理だけ見れば、そんなに大きな装置が無くても動作する物は作れそう。

サイズ(規模)のメリットは当然あると思います。その分、大量の粒子を加速できるとか、加速させるときに効率が良いとか。そう言うことを我慢すれば、動作確認だけならこの程度のサイズでも、いゃもっと小さくも出来るんだろうなぁ。

自分の子供の頃は、まだ電子機器が普通にある時代では無かったので、身近にあった木片とか竹材を使って、鉄砲を作ったり、車を作ったりしていて、それで物の形とか、基本的な仕組みなんかも自然に覚えていった気がします。さらに、私が子供の頃にハマったのが「紙飛行機」で、それは折り紙では無く型紙を組み合わせて作る物。当時毎月購入為ていた「子供の科学」の付録についていたもので、付録の紙飛行機は一度作ると終わりでそれでは勿体ないので、それを「型紙」として、別に画用紙とか買ってきて同じように髪を切り、それを組み立てて何機も作りましたねぇ。当然髪質が違うし、制度も悪いから、ちゃんとは飛ばない。次の月の「子供の科学」を購入すると、前の月の型紙で始めて正しい紙飛行機を作って、なんでこんなに違うのか、毎回悩んでいましたねぇ(笑)。私は、就職してからは、所謂「ソフト屋」の仕事をずっとしていますが、子供の頃そう言う経験があり、さらに小学生以降は毎年お年玉で「電子ブロック」を購入為ていたので、多少はハードの心得もあり、結構ソフト開発の時にも重宝しました。だから、この粒子加速器を作ってしまった方の気持ちは凄くよく分かる。

最近DIYが流行っていて、自分で小物とか家具とかさらにはリフォームまで手がける人が増えています。その一つの理由は、そう言うことを始めやすい道具や環境がホームセンターなどで簡単に手に入ることが大きいと思うんですよね。だから、ホームセンターで粒子加速器の真空チャンバーとか、電子力発電のリアクターとか販売したら、キットそう言う方面のエンジニアや研究者が増えると思う(マテ)。冗談はさておき、やはり昔に比べて、そう言う手を出しやすい環境が揃っているので、今回の様に粒子加速器や、アメリカのように核融合炉を自作するなんてことも出来てしまう。物理的な部材だけで無く、ネットワークで情報も集まるし、難しい構造計算とかシミュレーションだって、今はパソコンで簡単にできるし。そう言う実で、昔は機を削ってそこに自分の夢を投影するのが限界だったけれど、今では実際に「物作り」する事も出来るようになったわけで、そう言う環境がどんどん科学とか物理の発達速度を加速していくんだろうなと感じます。問題なのは、そう言う技術の発達はどんどん加速しても、そこから生まれる新しい問題やルールに対しての対策は昔と同じくらいの速度でしか進まない、射止められないことで、その乖離が大きな問題の原因になったりする。結局、そういう部分もAIとか入って、仕組み自体が変わっていくのだろうか。ちょっと興味ありますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿