JALがVR (Virtual Reality/仮想現実)を利用して、整備士の訓練教材を公開したという記事。仕事で、VRとかAR(Augmented Reality/拡張現実)とかMR(Mixed Reality/複合現実)とか、所謂「なんちゃら現実」系も関わるので、多少は興味も有りますが、ただ写真にもある表示用のゴーグルの違和感に、私はどうしても慣れない。
見た目では無く、実際に早着すると、その「装着感」で「あぁ、なんちゃら現実の世界にいる」という意識が無意識に湧いてきてしまい、どうしても没入できないというか。理想を言えば、普通メガネくらいになれば良いけれど、最低でも水中眼鏡くらいかなぁ。ただ、映像を投影する距離を稼がないと行けないから、現状ではこれくらいのサイズが限界なのかも。あと、回りの景色を隠さないと行けないから、やはり今のように目の周りを完全に覆い隠して投影するスタイルは仕方ないのだろうけど、装置の重さとか装着感や早着したときのバランスみたいな物は、もっと頑張って欲しいなぁ。
一方で「見える部分」の精度や品質は、まだまだじゃ無いかと。特に、VRの場合はCGで作成した映像を画面に表示するわけだから、その出来で没入感も違ってくるだろうし。さらに私はゲーム系ソフトをやらないから、どうしてもこういういかにもCGという画面を見るとしらけてしまう(笑)。ただ、自分も昔は保守関係のマニュアル開発などをしていたけれど、実はそう言うマニュアルの場合、いかに正確な情報を提供するかとともに、無駄な情報は排除して必要十分な情報に厳選することも大切。例えば装置のボタンの場所を示す場合、写真で「ここ」と見せるよりは、グラフィックで図を作成して、そこで必要な部分とそれを認識するために必要な部分のみを強調したほうが分かりやすかったりします。そう言う意味では、編にリアルな画面よりは、これくらいの「必要十分」な品質くらいの方が、分かりやすいのかもしれない。
ところで、記事の中でちょっと衝撃的だったのは、実際に使用して居る機材が減っていくと、保守する機械も減り、結果的に作業品質にも影響するから、こう言うシステムが必要だし有効という話。これ、どんな場所にもある話で、一番身近なのは時代の流れとともに伝統文化とか伝承技術が失われていく話で、これは技術とか科学の世界でも同じ。自分の世代で言えば、SW開発で過去の例えばFortranとかCobolとかAssembler等で書かれたコードメンテナンスが、どんどん出来なくなっていくのに、それらに依存したシステムはまだまだ残っているとか。最近だと、ほぼAll-in-Oneのノートブックパソコンが主流なので、デスクトップ機の内部増設出来ないみたいな話もあり、ちょっとショック。Wi-Fiが普通になれば、Ethernetケーブルの繋ぎ方も忘れられるだろうし。自分達の方が、VRの中でしか存在しないような世界が、どんどん近づいている気がする。
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