毎度の事ながら、永江一石氏のコラムから、派遣は悪なのかという話。この「派遣 vs. 正社員」の話にかかわらず、どうしてもこう言う種類の話って、善と悪みたいな二極対立みたいな構図にしたがりますよね。確かに、その方が分かりやすいし単純なんだろうけど、その分凄く極端な話になってしまい、非現実的な話にすら聞こえてしまう。勿論、それ以上に酷い場合も有るのだろうけど、それはそれとして個別に対応するなりする話のような気がする。
私の会社や組織にも、派遣だったり委託社員だったり、いろいろな種類のエンジニアが働いていて、何年かして契約更新の時に正社員への転籍などを尋ねる場合もありますが、結構皆さん派遣のままの方を好まれる気がする。自分なりに思うのは、エンジニア系、理系ということで、自分の興味の有る分野や範囲の仕事には集中したいけれど、それ以外の仕事や会社関係の行事には距離を置きたい、と言うのが一番大きな理由じゃ無いだろうか。実は、自分もその一人(笑)。だから、世間のニュース等に流れてくる「派遣 vs 正社員」のニュース等を聞いていると、何時もこれは文系の職種の話じゃないだろうかと感じています。
「派遣」と言っても、それはその雇用している会社から見たら、その会社自身が雇用していないから「派遣」な訳で、実際は人材派遣会社に所属している「正社員」のはず。最近多い、マッチングサイトなどを利用して直接アルバイト契約とか結べば別だろうけど、本来は派遣会社が派遣先の雇用状態を見ていて、不味いところがあればクレームしなきゃ行けないわけで、それが出来ていないとすれば雇用側もそうだけれど人材派遣会社側にも問題があるということ。だから、「派遣の問題」ではなく、「人材派遣会社に所属する正社員の問題」になるんじゃないのかといつも思います。まぁ、派遣元としても契約を切られないよう我慢する事もあるかもしれないけれど、結局そういう派遣先って長続きしないし、ちゃんとした派遣先なら派遣元も大事にするものだし。
日本の昔の雇用形態では、終身雇用・年功序列が当たり前でしたし、だからこそ「会社員=正社員」という図式が成立していたのでしょう。今の派遣に近いケースだと、臨時工とか季節工みたいな人が当てはまるのかもしれないけれど、ピーク時のリソースマネージメント的役割をしていたわけで、それは今の派遣リソースの使い方と同じ。ただ、最近ではその派遣リソースをコストダウン目的で使おうとするから、一寸ややこしいことになっているのだと思う。でも、昔からの終身雇用・年功序列が崩壊している今、仕事のスタイルとして、e-workとか副業などという形態も普通に認められる時代なんだから、「派遣」という形態が中心になっても良いと思うんですよね。「正社員=人材中心雇用」というのは、その人のリソースを全て会社が確保することだから、実は無駄な時間も多く引き受けなきゃ行けない。「派遣=能力中心雇用」だと、必要な時に必要なリソースを会社側も確保できるし、人材側も有効に自分のリソースを売り込める。そう言うプラスの部分をもっと広げていけば、自然と今言われているようなマイナスの部分は解消されていく気がする。まぁ、問題なのは永江氏も書いているように、一部の人達が自分達の都合の良いように解釈して吹聴していることなんですが、それって本当に真面目に働きたい人にとって迷惑なだけなんですよね。
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