2019年7月10日

朝日新聞の誤報

国による熊本地裁でのハンセン病控訴断念に関して、「国は控訴」と誤報を配信し、さらには紙媒体では一面に印刷して配送してしまった朝日新聞。Web媒体はその後修正され、その記事を引用したYahooニュース等も訂正記事を出したけれど、印刷した前日の新聞紙を回収するわけにも行かず、結果こう言う訂正記事を出したわけですが、何か朝日新聞がふくれっ面で言い訳しているようで、逆に不快。

まず、理由はどうあれメディア企業として致命的な「誤報」を配信したわけだから、その謝罪が最初に来るのが道理なのでは。でも、「政権幹部を含む複数の関係者の取材を踏まえものでしたが」と言い訳から入り、説明に移るわけで、一言くらいは「誤報を配信するというメディアとして致命的な間違いをお詫びします。」と最初に言うべきでは。その謝罪は、最後になってやっと、
私たちの取材は十分ではありませんでした。参院選が行われている最中に重要な政策決定をめぐって誤った記事を出し、読者や関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ありません。
 と書いているけれど、この文章こそ最初に来るべきものでは無いだろうか。

で、本文では自分達の取材対象が政府や政権の中枢であったことや、そこからの取材では控訴という方向性を感じたから記事にしたみたいな言い訳を書いているけれど、1つの情報を得たら、普通は別の角度から裏取りをするとか、あえて反対側の意見を調べるとか、そう言うことをやった上での誤報という風には理解出来ない。読む限りでは、自分達が「こうなる」という方向性に沿った情報が、中枢から出てきたから、それを信用して報道した、みたいな言い方をしているけれど、それって今回だけの話しじゃ無くて、これまでの多くの朝日新聞の報道スタイルですよね。自分達に都合が良い情報は取り上げて、都合が悪ければ取り上げないならまだしも、歪曲して理解されるような伝え方すらするという、メディアというよりは「宣伝機関」みたいな集団。そんな一端が、この「お詫び記事」にも感じられる気がする。

さらに、最後には、
今後はより一層入念に事実を積み重ね、正確な報道を心がけて参ります。
と結んでいるけれど、「入念に実績を積み重ね」って何? 今回は10人に取材したけれど、次からは20人にします、みたいな意味に感じられるけれど、それじゃぁ何も解決しないでしょ。今回の原因を、例えばソフトのテストケースに例えれば、Good Caseだけを準備してテストをして「OK」と判断してしまうようなものじゃ無いかと。さらに、Bad Caseであったり、例外処理みたいなTest Caseを含めて検証して、それで問題無ければ初めて正式リリースするのが、普通のこと。単に、Test Caseを倍にすればBug(=誤報)が半減するかと言えば、それは無いわけで、そう言う意味で「あぁ、この人達は何も分かっていないな」という感想しか生まれない、訂正言い訳記事でした。 

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