2019年6月14日

緊張感

安倍総理のイラン訪問中に発生した、ホルムズ海峡での襲撃事件。襲われたのは、台湾籍と日本籍のタンカーで、乗組員は怪我人は出たけれど全員無事との事。早速アメリカはイランの責任を良い、イランはそれに反発していて、安倍総理も折角足を運んだのに大変そう。とは言っても、単純に「A vs. B」という構図では説明出来ない複雑な環境の話何だろうから、この件だけで良い・悪いを言うのは難しいんじゃないだろうか。

先日のトランプ大統領訪日前にイランの外相が日本を突然訪問したり、安倍総理がイランを訪問したときに最大級の勧化をしたことを見ても、イランとしてはアメリカの態度に不満はあるがだからと言って直ぐに何か手を挙げて事を荒げようという気持ちは無いと尾も言われる。またアメリカにしても、気に食わないと思いつつも、こちらも直ぐに何かしようと言う事は無く、来年のトランプ大統領の再選に向けて少しでも有利な材料が出てくれば、それに乗っかるのも確かだろうし。

あくまで一連の報道を見ている限りでは、今回はそれぞれが日本を利用してガス抜きをしている印象を受けるんですよね。外向けにはファイティングポーズを取ったままだけれど、その後ろではセコンド同士が目配せしているような(笑)。今回の安倍総理訪問で一番の成果は、間接的ではあるけれどハメネイ師の言葉として、核兵器は、作らない、持たない、使用しない、という日本の拡散原則みたいな言葉を引き出したことじゃ無いだろうか。これでアメリカとしても、先制攻撃する理由はかなり後退した気がします。多分、ここから少しずつ互いに譲歩をしていく工程が始まるんだろうけど、その為にはまだまだ時間が掛かりそう。

で、それを良しと思わない勢力が今回の襲撃事件を起こしたとお網の場、何となく自然な気がする。少なくともイランとしては、最悪の場合の糸口として日本というカードは残しておきたいだろうし、その為には今回の様なトラブルは一番困るはず。アメリカも、厳しいコメントを出しているけれど、あれも現状ではあれ以下のことは言えないだろうし、本音は空くまで安倍総理がトランプ大統領に個別に話をして、それをイランに伝えという、伝言ゲームが暫く続くんじゃないだろうか。

ホルムズ海峡の緊張感が、久しぶりに感じられた事件だけれど、以前は某野党の人達は「ホルムズ海峡の緊張なんて有り得ない」みたいな事を言っていたのが、またぞろ発掘されて晒されるんだろうなぁ。私は、昔幾つかのイベントの責任者みたいな事をやっていた(やらされていた)時に、先輩から言われた「準備をするときは、最悪のケースを想定して最善の対策を準備し、いざ実行に移すときには出来るだけ臨機応変に自由に進めるのが最善の運営」みたいな事を言われて、その時言うは易しと思いつつも、個人的には色々な意味で金言だと今では思っています。今回も、そう言うことを是非与党だけで無く野党の皆さんも真面目に考えて欲しいけれど、多分そんなことは露ほども思わないだろうなぁ。

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