2019年6月12日

粉飾するメディア

金融庁の年金+2000万円問題。年金だけでは足りなくなるケースもあるから、事前に準備しましょうという凄く真っ当な話を、2000万円用意しないと生活できないと曲解なのか意図的扇動なのか、これ幸いと騒ぐ人達。それならこれまでに、老後の安心のために投資運用をとか言っていたファイナンシャルプランナーとかライフプランナーの責任はどうなるのかと小一時間(マテ)。

で、肝心のワーキンググループの内容を先ず理解しないと、それが良いのか悪いのか判断どころ会見も言えない。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
約50ページほどの内容で、文章も説明も平易で、理系の私でも十分理解出来る。と言うか、これ凄くよくまとまった話だと思う。別に老後の話に限ったことでは無く、日本の少子高齢化、平均寿命の推移、高齢者の雇用、長期投資のメリット、等々、どちらかというと高齢者よりも20~40代位の世代が今一度読み直して、今から資産形成について考えるべきだと思う。その為のヒントがあちこちに説明されているし、確かにその例としてNISAとiDeCoだけというのはどうかと思うけれど、特定企業の投資商品をあげるわけにいかないから、それは仕方ないか。ただ、内容に関しては、現状分析を中心として、今後起こりうる事象を例としてあげて、それに対しての対策の必要性を訴えているわけで、凄く真っ当な文書だと思う。で、その中で、仮に100歳まで人生を全うするとする、月不足額5万円から30年で2,000万円の取り崩しが必要と言っているだけ。

これだけ平易な文章の説明を聞いて、それを「年金では不足して2000万円必要」と短絡的に理解する人って言うのは、よほどうましかな人か、何か意図を持って曲解しているかのどちらかしか考えられない。永江一石氏も書いているけれど、成人して社会人としてスタートするときに、こう言う人生設計や色々な申請(納税や諸々の社会保険等)等の知識って、私も何処かのタイミングで必要だなと思いますね。就職するなら、新入社員研修の一つとか。私もどちらかというと、そう言うことを知らずに社会人になって、たまたま始めた会社の持ち株会のお陰で、今それなりの資産が手元に有ることをすごく感謝している。今更ながらだけれど、当時持てた権利を100%行使していたら、もっと豊かな積立が出来たので、それだけが今後悔しています。そう言うことって、当時は全く考えられなかったんですよね。丁度バブルの頃でもあったし。

そういう意味では、メディアは「年金で生活できないのか」なんていう、使い古された扇動をするのでは無く、もっと真剣に現状と将来の生活設計について有効な情報提供をするべきだと思うけれど、多分自分達はそれなりの給料を貰い手厚い保護を受けられるという認識だから余り真剣じゃ無いんだろうなぁ。仮に、今の大手メディアの一つでも何かの理由で破綻して、そういう将来設計がおじゃんになったら、彼らはどうするんだろうか。そういう意味では、困っている人達の痛みを知らない人がそういう人達のことを表現するには、よほどの努力や情報が無いと出来ないと思うけれど、最近のメディアは他人のSNSや他社の記事を見て仕事をする人達ばかりだから、無理でしょうね。

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