2019年6月21日

環境と経済

ITmedia、杉山淳一氏のコラムから、JR東海と確執を生んでいる静岡県を通過するリニア着工の話。一般の報道を聞くだけだと、単に静岡県(=川勝県知事)が難癖付けているだけのようにも見えるんですが、環境問題という視点だと一理あるわけですね。コラムでは、経済問題として決着させようとするJR東海に対して、環境問題として解決策を要求する静岡県としては、静岡県側に理があるという結論のようだけれど、そうであっても結局は担当者同士の摺り合わせを、県知事が自分の気分で壊している感は否めない気がするなぁ。

確かに静岡県内にリニア新幹線の停車駅は無いし、観光資源しようとしても日本アルプスの山の中でしかもトンネルだから見るにも見えない。その上で、環境問題に影響が出てしまい、静岡県の水資源が減ってしまうとなれば、それは日頃知事に批判的な自分でも応援したくなるけれど、でももう一寸上手くと言うか、大人の対応で話を進める事が出来ないのだろうか。リニアが開通して、東海道新幹線に余裕が出来れば、静岡県内での停車数も増えて、経済的なメリットが生まれることは確かなんだから。

コラムの中で、忘れかけた「静岡空港直下の新幹線駅」という話が出てきて、そう言えばそういう話も合ったなぁと遠い日を思い出しました(笑)。確かに新千歳空港とか福岡空港のように、空港直結の駅があると便利だし、それが新幹線ならネームバリューも大きいでしょう。でも、わざわざ空港の下に縦穴を掘ってトンネル駅を作るよりは、トンネルをでた静岡側の地上部分に新駅を設置して、そこと空港を例えばゴンドラで繋ぐとかどうだろうか。東側だから、富士山も見えるし、ちょっとした観光資源になる気がするんだけれど。それに、地上駅にゴンドラなら、トンネル駅を準備するよりもコストも少ないだろうし。一番のメリットは、トンネル駅だと空港利用者にしかメリットは生まれないけれど、ゴンドラ付の駅ならそれ自体が観光資源として付加価値を生むという点かな。

いずれにしても、良くも悪くも、今のリニア建設を止めているのは「静岡県」というのが一般の人の感覚だと思う。それはメディアの責任も大きいけれど、やはり当事者として静岡県が解決したいのかどうなのか、その辺りの立場をちゃんと示さないと、何となく知事の気分で話が停滞しているみたいな印象しか受けないんですよね。それはご本人にとっても不本意だろうし、県民にとっても不幸でしかないとおもう。知事には知事の言い分が有るのかもしれないけれど、そこはもっと大人の対応をして欲しいなぁ。何か、これまでの成功体験なのか何なのか、自分が言えば周りが動くみたいな印象を今回も受けるのが不安ですねぇ。

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