2019年6月1日

本気で茶化す

桜田元大臣がした「お子さんやお孫さんには、少なくとも三人は子供を生んで」発言。まぁ、発言者と良いその言葉と良い、先日配布された「失言対策マニュアル」にも書かれていた、「メディアが都合良く切り貼りする」が見事にはまるようなケース。勿論、前後の発言も含めて読めばそんなに問題な発言なのか、問題なのは「三人」の方では無く、一人でも産み育てる事が厳しい現状を何とかしろ、と言う方だと思うのだけれど。

で、この発言がメディアで取り上げられると、早速野党の皆さん、特に女性議員が反応しているんですが、その中でも立憲民主党の辻元議員がインタビューに答えていて、「開いた口が塞がらない」と言いつつ、カメラに向けて斜め上を見ながら大きな口を開けるポーズを見せたけれど、それって相手を茶化すつもりで、この「女性蔑視問題」あるいは「出産問題」を侮辱する行為になっていないか? 「開いた口が塞がらない程呆れた」とか言うなら、その言葉には問題無い。でもね、それは空くまで「比喩」であって、そこで口を大きく開ける行為自体には何の意味も無い。逆に滑稽なだけなわけで、それってシビアな問題がギャグになってしまうだけ。本当に怒っているなら、深刻に考えているなら決してそういう行為は生まれないと思うし、実は相手を叩くだけが目的だからそう言うことも自然と出てしまう。自ら底の浅さを露呈している行為だと思うなぁ。

年齢別の人口動態調査の結果を見た事がありますが、本当に近年の少子化は大問題で、自分の世代は確か200万人位いるのに、今の幼児世代は100万人を切っている。実は、三人生んでも全く足らず、多分その倍位の出生率を維持しても恢復できるかどうか怪しい状態。単に、若年世代が老年世代を支える問題だけで無く、その若年世代が更に高齢化したときには、もう打つ手が全くなくなるんじゃないかという不安も。問題なのは、仮に今の出産世代が沢山の子供を出産しても、その人達が仕事をして社会に出てくるのは20年後。その間に、その親世代は既に高齢になるし、今の人口中心の高齢化世代も無くなるから、どんどん社会の活気も減っていくだろうし。だから、勤労世代も含めて有る程度人口を補填できるような移民政策は重要だなと思います。一方で、子供は産んだけれど... という世帯も多いわけで、そういう所もちゃんと手当てできないと、益々この負のループは進むだけ。そういう根本的な問題を提示して、その為の解決策を生むための切っ掛けにするなら良いのだけれど、結局は相手を困らせたいだけの重箱の隅を突く事に終始している。そっちの責任の方が大きいでしょう。

政治家という立場にある以上、通常よりもその行動や発言が注目され、場合によっては悪意も含めて利用される事は覚悟するべき。特に政局に利用出来ると思われれば、直ぐに足下を見られてすくわれる。それも魑魅魍魎うごめく政治の世界だから許されるのだろうけど、自分達としてもそれで自分達の生活や経済や社会に世界が良くなる我慢する「必要悪」みたいなものと思っているのが普通です。でも、本来そう言うことを上手く利用するべき野党の程度や行動が低レベルだから、結局失望感しか生まれてこない。相手を茶化して貶めるだけしか能のない政治家は、本当に退場して欲しい。

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