2019年5月8日

米中貿易戦争

アメリカのトランプ大統領が、対中国向け関税を、現行10%のものを25%に引き上げ、現在無関税のものも25%にするとtweetして、昨日の相場は大波乱。ただ、その発表というか書込があったのが日本のG.W.中だったこともあったのか、G.W.明けの昨日の東京市場は、予想通り下げ傾向ではあったけれど、アメリカの下落よりは少し踏みとどまった気がする。

これを、トランプ大統領お得意の「威嚇(ブラフ)」と見る向きもあるけれど、ここまではっきり言ってしまったら、逆にそれを実行しないことで自分に対しての評価は一気に下がるだろうし、取りあえず10日からと言われている中国に対しての関税引き上げは実行されるのでは無いだろうか。ただ、中国としてもだからと言って「悪うございました」とアメリカの言い分を飲むわけにも行かず、このチキンレースは暫く続きそうな気がする。

日本としては、横でそんなことをやられている状態で、耐日本向けの貿易協定をどう進めるのか悩ましいところ。まぁ日本としては、アメリカ向けには必要十分な対応を既に実施しているという立場だろうから、それ以上の要求はのめないだろうし、下手に妥協したらTPP11ヶ国との約束も反故にすることにもなるだろうし。一番の懸案である自動車に対しての関税は、先日の日米首脳会談で安倍総理がトランプ大統領の前で「日本は米国車の関税を0%にしているが、アメリカは日本車に対して2.5%の関税を取っている」と明らかにしたから、ある意味それ以上の進展はないわけでそれ以外のお土産というか、妥協点は何だろうか。何時ものように、既に決定している分も含めて対米投資の発表でお茶を濁してトランプさんの顔を立てて一件落着なら良いのだけれど。

日本のこと以上に、対中国となると、先ず世界的な影響が大きいから注目せざるを得ない。特に、最近では中国から外にでているとは言え、世界の製造工場としての役割はまだまだ健在なわけで、それが今回の一件でますます脱中国に拍車がかかるのかも。個人的には、昔抱いていたような「低賃金、高品質労働力」と言う意味での中国はもう無いと思っているし、逆に日本の方が製造コストは低くなる場合も最近ではあるくらいだから、よほど中国マーケットとコミットする戦略をとらないのであれば、少なくとも低価格商品に関しては、もう製造拠点としての魅力は無くなりつつあるんじゃ無いだろうか。逆に、上手く利用すれば、中価格、高価格商品をそれなりの品質で製造する技術は有るので、そう割り切った使い方は有りだと思うけれど。ただ、そうなれば製造量は以前よりも減るわけで、スケールメリットが無い分中国側はうま味が減るだろうし、日本としてもそれなら多少コストアップになっても信頼でき国内製造を使おうかと言う気になるかもしれない。いずれにしても、今週末に何か波乱が生まれるのだろうか。不安が心配...

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