2019年3月26日

奥地の札幌

麻生太郎副総理兼財務大臣の答弁で、北海道の札幌を「奥地」と称したとして、野党議員がヒステリー(?)になっているようですが、早速ネットではその検証が進んでいて、

  1. 別に麻生氏自身が「札幌は奥地だ」と言ったわけでは無く、現地の人の話の引用として言った
  2. 「奥地」という言い方は、函館など道南では道北を指す言葉として使われている
  3. 実際数年前に、函館と札幌のライバル感を記事にしたものがあり、そこでも「奥地」と言われている
  4. 北海道の方言辞典にも「奥地」は掲載されている
ということで、別に政局にして騒ぐほどでもない。こう言う言い方って、どこの地域でもありますよね。例えば浜松がある地域は「遠江(とおとうみ)」言われて、そこから「遠州地方(えんしゅうちほう)」とも言うけれど、これは昔の都、京都の近くの琵琶湖がある地域を「近江(おうみ=ちかくのうみ)」と称したことに対して、遠くにある「江=浜名湖」という意味で「遠江」と呼ばれたことが始まり。「奥」という言い方も、少し離れた奥まった場所、隠れた場所みたいなときに使うわけで、よく言われるのが「熱海は東京の奥座敷」という言い方。そう言う意味では、北海道開拓は、まずは東北の青森の対岸になる、函館あたりが進出拠点になり、そこから北に奥地に開発が進んでいったことは確かでしょう。最も、札幌が北海道の中心になったのは明治時代とともにくらいのタイミングらしいけれど、そんな100年以上も前の事を未だに言うのかというかもしれない。でも、結構そう言う言い回しとか言葉というのは親から子供に伝わるもので、今の若い世代は言わないかもしれないけれど、高齢者世代などは普通に使っても不思議は無い。所謂「方言」の一つですからね。地元浜松でも、若い世代は使わないだろうけど、自分くらいの世代では普通に昔の言葉とか口を突いて出てくるし。

この発言に噛みついたのが、札幌を地盤とする野党議員というのも、何となくわかりやすい構図というか。札幌の人は、自分達が他所から「奥地」と呼ばれていることは知らないのかもしれないけれど、立場としては北海道全体を見るべき議員なんだろうから、そう言う意味では逆にこの野党議員の方に「そんなことも知らないのか」と言われる方が大きいと思うのだけれど。仮に、「奥地」ではなく「僻地」とでも言ったのであれば、それは批判するべきとは思うけれど。いずれにしても、その内容では無く、言葉尻を捉えて相手を批判できれば良いという、非生産性以前の理由で貴重な時間を浪費するのは止めて欲しい。例えば、「札幌は慎ましい街なので、奥地でひっそりとしていますが、良い街ですよ」みたいな切り返しする位の余裕は欲しいですよねぇ。

この発言をした場所は、衆議院予算委員会での北海道新幹線の札幌延伸についての時らしい。となると、本来議論されるべきは、延伸スケジュールとか札幌新幹線駅の設置とか、経済効果とか、幾らでもあるはず。僧衣海のある質問を一つでもしていけば、多少は野党に対しての印象も変わると思うのだけれど、相も変わらず感情的な部分というか、それしか出来ないというのか、時間の無駄だなぁという印象しか受けない話がまた一つ。

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