永江一石氏のブログから、サイゼリアが苦戦している理由について。私も、最初にこちらの記事を読んで、ちょっと違和感を感じたんですよね。サイゼリアの100円ワインが美味しいことは結構知られていて、確かに1000円以内で料理とワインが楽しめる「サイゼ飲み」がそれなりに支持されていることも事実。ただ、やはり「サイゼリア」と言えば、安価でも美味しいイタリア(風)料理が楽しめる場所という事で、「立ち飲み」とか「ちょい飲み」というような場ではないはず。テーブル席中心のどちらかと言えばファミリーレストラン系のサイゼリアで「立ち飲み」需用と言うも変だし、一杯100円のワインが有るからと言って、それだけ飲んで帰るような「ちょい飲み」というのも多分ごく少数では。やはりサイゼリアでの正しい「飲み方」は、コスパの良いイタリア(風)料理を色々注文して、それをシェアしながら安いけれどそれなりに美味しいワイン等のアルコール類を、これも色々楽しむという方法だと思うんですよね。どちらかというと、大人数で色々注文してシェアする、中華料理店の使い方に近い気がする。
で、永江氏はその不振の理由を「現金払いのみ」の会計システムにあると言われるわけですよね。これは一理あると思う。例えば、個人のお店、あるいは数店舗くらいのグループ企業なら、仕入れから販売まで現金で通して、調達コストを少しでも安くして行くこともあるだろうし、それが普通なのは分かります。でもサイゼリアの様な大企業で、かつセントラルキッチンで大量仕入れ大量調理しているような会社が、現金主義で買いたたいて安く材料を調達しているとは考えられる、結局資金の収集方法とその利用方法の乖離が大きくなっている。さらに、利用者層を考えると、電子マネーやクレジットカード等の「非現金決済」に抵抗のない若い世代が中心だろうし、となるとそれだけが理由では無いだろうけど、理由としては大きな範囲を占めるような気がします。
さらに言えば、今は色々な業態の店舗が立ちあがっては消えている時代。よほど、それまでの馴染みのお店に愛着があれば別だけれど、そう言うお店が出来れば一度は行ってみたくなるだろうし、場合によっては「新規開店〇〇キャンペーン」みたいな感じで集客対策も大きいだろうから、既存店が有る程度客足を奪われるのも納得出来ます。人口減少に対して、外食に抵抗のない世代は増えているだろう事を考えると、多分こう言う外食店舗利用者数というのは、余り変わらないのでは。その中で、新しい形態のお店が増えればそちらに先ずは流れるだろうし、逆に既存店舗は何か新しいことをやらないと、単に安いからとか美味しいからだけではなかなか客足増加は厳しいと思いますね。
まぁ、現金払いも理由の1つだろうし、「ちょい飲み」ブームの変化も理由の1つだろうし、何か1つの理由が左右しているわけでは無い事は確か。問題なのは、その中のどれに対して対策すれば、減少傾向が止まり将来の利益に繋がるのか、と言う事。そう言う意味では、店舗や企業で対応出来る決済システムの向上が一番効果があることは事実。幾らサイゼリアが大きなチェーンであっても、そのチェーンだけで「ちょい飲み」ブームを再加速させるのは難しいですし、もしかしたら人々の興味は別の物に行くかもしれませんしね。まぁ、その中でも「飲んだ後に面倒な計算や現金を出す手間が無い」という意味では、電子マネーやクレジットカード決済というのは結構重要だと思う。リクルートの肩を持つわけじゃ無いけれど、AirPAYはそれら全部をまとめて簡単に導入できるので、これって結構流行るような気がしています。これまでは、電子マネー毎の端末準備とか、そういう所が面倒でしたからね。逆に言えば、電子マネー側がそう言う努力をちゃんとしてきたか言うと、一寸個人的には疑問を感じていたりするわけですが。まぁ、それがサイゼリアの言い訳にはならないけれど。でも、東京2020前には必要だと思うなぁ、クレジット決済。アメリカから出張で日本に来る人に、先ず聞かれるのは「アメリカのクレジットカードは日本で使えるか」ですからね。
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