2月1日から、日本と欧州間でのEPA(経済連携協定)が発効し、世界のGDPで3割、貿易総額で4割を閉める世界最大級の自由貿易圏が誕生することに。日本側の関税は94%が撤廃されて、チーズやワインの関税が撤廃・値下げされるという事で、特にワインの関税は即時撤廃されるために、既に先行してワイン価格が下がってきていて、ワイン好きには嬉しい恩恵になりそう。一方でEU側の関税撤廃率は99%とさらに大きく、日本からの輸出が活発になる事が期待されます。特に、日本酒とか日本の果物、さらには味噌醤油みたいな日本固有の調味料等、国内で消費が頭打ちのものが新たな販路を目指してEUから欧州に広がる可能性も出てくるんじゃ無いだろうか。実際、静岡のお茶も緑茶としてだけてなく、紅茶に加工して売り込みと化しているようで、そう言う意味で新しいビジネスモデルが生まれてくるかもしれない。
勿論、良いことばかりでは無いわけで、国内ビジネスですら厳しいのに、皿に新しいマーケットに出ていくだけの余裕も気力も無い中小の業者さんも一杯居るでしょう。でも、そういう所を上手くまとめて規模のメリットが出せれば、かなり面白いビジネスモデルが出来ると思うんですよね。特に農産物などは、一箇所に集中して作付けすることで、効率的にはなるけれど天災などの災害時に弱い苦なるから、狭い日本でも来たから南に分散できれば安定供給に繋がるだろうし。以前、作家の楡周平氏の「和僑」という作品を読んでいたとき、地方の特産物をアメリカのステーキチェーンに卸すとき、年間通して安定供給できない問題が出てきたんですが、収穫期に一気に半完成品に下降して冷凍保存しておくことで、旬の味を維持しつつ労働集約も出来、皿に安定供給にも繋がるという流れを見て、「あぁ、こう言う事も可能なんだな」と改めて感心したことがあります。
自分は情報関係の業界にいるから、どうしてもネットを中心に考えるけれど、物流を考えるときには実際にその「もの」をどう動かすかが手当てできないと、ビジネスにならない。あくまで一つの例だけれど、今の技術を使えば冷凍保存で季節に関係無く食材を販売することも可能だし、半完成品と言う方法なら、調理まで含めて効率化も出来る。現実は、そう簡単ではないと理解しているけれど、一つの流れ(スキーム)を考えるには、面白いなぁと感心しました。昔なら技術的に無理だった遠距離間の貿易にしても、今ならいろいろな手段で可能なわけで、そう言う意味では国内にいても世界を俯瞰する意識は少なくとも持ちつつ、自分の仕事を広げていく発想が必要だなと、この歳になって再認識しています。
自分も、もう暫くしたら定年退職で、その後どうするかはまだ全くの未定状態。経済的な事もあるから、出来れば何か仕事をしつつ、定年後5年になるか10年になるか、どうなるか分からないけれど、やはり何か「目標」とか「生きがい」みたいなものは持ち続けたい。そう言う将来で、どの程度貢献してくれるかは不明だけれど、一つ選択肢が増えることは良いことじゃ無いかと思いますね。もっとも、自分は欧州にはまだ一度も言ったことが無いから、先ずは一度行ってみてることからやらないといけないな(笑)。
0 件のコメント:
コメントを投稿