2019年2月9日

間違っておもてなし

日本人の気質として、「おもてなし」とか「思いやり」というのが大きいというのは理解出来るけれど、これはそう言う気持ちの履き違いだと思う。それなら、富士登山は大変だからエレベーターを付けるのか? 皇居に動く歩道を設置するのか? それは違うでしょう。

確かに、訪日観光客は増えているし、それによって日本の色々な面が知られていくのは良いと思うけれど、そう言うことと、その資産が本来持っている姿を変化させるのは別のこと。それなら、元々無かった砂利を取り払って、土に戻せばいいんじゃない。勿論、それによって土埃とか、雨が降ればドロドロになったりするだろうけど、それが本来の姿なんだから。まぁ、折衷案としては、今の玉砂利の中に石畳を置くことかなぁ...

「バリアフリーは考えないのか」と言われるかもしれないけれど、それもケースバイケースでは。表は砂利のままでも、横からなら車いすでアクセス出来る入口を作るとか、妥協案はあるはずで、それを一気に「アスファルト化」というのは違うと思う。観光客を慮るのは勿論良いことだけれど、それにも限度があるだろうし、その施設の本来の姿を壊してまでやる必要は無いのでは。これがエスカレートしたら、例えば訪問客が多いから近隣のトイレを開放してくださいとか、移動手段が足らないのでボランティアで自家用車での送迎をしてください、みたいな話だって出てきてしまうかも。

京都だけで無く、観光客誘致のために観光客の利便性を優先した方法をとるところもあるでしょう。それはそれで一つのアイデアだと思うし、それで集客に繋がるならやれば良いと思うけれど、それって元々の観光施設が理由で来てくれているのか、待遇が良いから単によっているだけなのか、将来的なことを考えたらどちらが望ましいのかは明らか。結局は観光誘致のために観光資源をねじ曲げて、そのうちに元々持っていた観光資源の魅力も半減して、誰も見向きしなくなる、と言うような気がします。駅などでの、多言語表示もそうだと思うけれど、「おもてなし」と言いながらも、結局は混在して複雑化して、元の意図が消えてしまう例の一つだと思う。

[2019/02/15追記] どうも報道がおかしかったようで、二条城側の公式発表では、バリアフリー化の為に砂利道の一部を改修する予定があり、その為の調査を行うと言う事らしい。まぁ、そりゃそうだよな。特定の観光客向けという事も否定しているし、やはりメディアを鵜呑みしてはいけないという経験値がまた一つ(笑)。

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