2019年2月15日

怪しい専門家

朝日新聞のエネルギー関係の記事を書いている記者が、こんなtweetをして批判を受けたら、少しは勉強しろと切れている件。大体、その800万kw(kwh?)ってピーク時の値で、常時その出力が得られるわけではないと言うところで、まずダウト。太陽光発電の弱点は、日中のピーク電力としてはまぁ期待出来るけれど、夕方から翌朝までの、多分一日の2/3は発電が期待出来ないトロ。勿論、さらに日中でも天候に左右されることも考慮しないと駄目。だから個人的には、よほど大規模な蓄電装置と込みで無いと太陽光発電の本当の実力は出せないし、自宅用に限定してもそう言う総合的なパッケージがで無い限り導入するつもりも無い。

少し前の「ガイアの夜明け」で、太陽光発電のベンチャー企業の話題があって、耕作放棄地を利用して太陽光発電設備を作っていく話でしたが、土地はあるけれど送電設備の「系統」が一杯で、もうこれ以上太陽光発電を受け入れる余地がないという話。実はこれにはカラクリがあり、その「系統」の多くは先に申請した企業が抑えている物で、実際には使われていない物も多く有るということ。番組では、そう言う企業と組んで、有効利用しようとしているところまで放送していたけれど、本当再生エネルギーを普及させるのであれば、「言っただけ、取っただけ」の企業から権利を取り上げて、ちゃんとやる気のある企業に移管させるべき。そう言う意味で、1年とか2年経っても実際に動きの無い案件は、強制的に取り上げても良いと思う。

ただ、そうやってどんどん再生エネルギーが増えていくと、自然状態で発電量が大きく変わる再生エネルギーのギャップを埋める発電が必要になるわけで、一番確実なのは火力発電だろうけど、その分発電設備にかかる負担も大きくなる。そう言う意味では、ベース電力として原発で必要最小限の発電量を維持し、そこに環境とか色々な理由で再生エネルギーが必要なところはそれを利用し、足りない分は火力などで補い調節する、と言うのが一番理想的な組合せだと思う。

さらには、今伊東市でも揉めているけれど、太陽光発電の場所を確保するために環境破壊に繋がりかねない開発が進んでいることも無視できないはず。昨年台風では大きな被害が各地に発生して、その中には太陽光発電の施設が問題を起こした例もあるはずなんだけれど、予想以上にそう言う報道が無いような気がします。太陽光発電を悪者扱いする機は無いけれど、例えば浜松なら昔の養鰻池にパネルを並べるとか、ゴルフ場を活用するとか、あるいは番組のように耕作放棄地を活用するとか、既にある場所を活用するなら分かるんですよね。でも、わざわざ造成してパネルを設置する、その造成方法も本当に問題無いかの疑問を持たれているのが現状なわけで、そういう所をちゃんと解決しないと、良くある箱物行政と同じで、日本中に作ったけれど、何年かたつと倒壊した太陽光パネルが散在しているだけになっている気がする。

いずれにしても、仮にもエネルギー関係の記者が自分の書込に対して疑問を呈されて、「無理解の反論は無視する。勉強しろ」は無いよなぁ。そういう人にも現状の問題点とか利点とか、そう言うことを説明するのが、「記事」であり「批評」ではないのか? しかも、自分が専門だと行っている領域の話で。何か、お里が知れるなぁ...

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