2019年1月4日

私的RICE BOWL考

昨日開催されたRICE BOWLで、2018年度の国内フットボールは終了。結果は、富士通52-17関西学院大と予想以上の大差で富士通が勝利したけれど、それ故に以前からある「RICE BOWL限界論」「RICE BOWL改革論」が、このオフシーズンに盛り上がりそう。一フットボールファンとして、そのRICE BOWLを見ながら熟々考えたことを備忘録代わりに...

  1. 学生vs社会人、体力差・体格差問題
    ここ最近一番言われるのが、社会人チームには外国人選手はいるし、大学チームの優秀選手が集まっているから、まだ20代になりたての学生とは、体格も体力も大きな差がある、という話し。でも、10年ほど前は、学生は体力があり、仕事で疲弊している社会人は学生時代の遺産で何とか勝負している、と言うのが通説だったんですよね。そう言う意味では、社会人リーグが段々と熾烈になり、練習に割ける時間が少ない社会人も体力的に向上してきた表れであり、それは努力を認めるべきでは。とは言っても、オフェンス・ディフェンス、それぞれ二人とはいえ、経験値も体格も一つ飛び抜けた外国人選手がいることは、その10年前の頃とは大きな違いでもあるけれど、出場選手の制限をするレギュレーションの変更はするべきでは無く、体力差・体格差という理由とは別に、「大学チャンピオンvs社会人チャンピオン」という、大会趣旨(フォーマット)を見直す必要が有るんじゃ無いかと思いますね。
  2. オールスター戦問題
    試合フォーマットを「学生オールスターvs社会人オールスター」、あるいは当初のような「東西大学オールスター戦」に戻してはという話も。個人的には「オールスター戦」というのは、あくまでお祭りであって、そこには有名選手やスター選手がいれば集客も出来るけれど、正直マイナースポーツの国内フットボールで、それを正月の三日に大々的にやる必要性は感じない。NFLのPro Bowlに何度か行ったことがありますが、Pro Bowlですらそう言う雰囲気を感じるわけで、日本でも「オールスター戦」でそれなりに成立しているのは、プロ野球とサッカーくらいじゃ無いだろうか。それ以外のスポーツでも開催されていると思うけれど、その二つとは雲泥の差がある。というか、プロ野球とサッカーのオールスター戦ですら、かなりのギャップがありますしね。そう言う意味では、オールスター戦に関しては反対で、やはり何らかの頂上決戦、年間チャンピオンを決めるような対戦を考えるべきだと思う。
  3. 日程問題
    RICE BOWLについては、すでに正月三日の風物詩になっている、という話もよく聞きます。箱根駅伝みたいな。でも、それがスケジュールの大きな足かせにもなっていると思うんですよね。個人的には、甲子園ボウルとRICE BOWL、場合によってはJapan X Bowlのような「ボウルゲーム」は、年が明けてから開催しては、と思う。大雑把に言うと、9月のシーズン開幕から12月の中旬とか下旬までが、レギュラーシーズンとトーナメント等の期間にして、1月を最後の「チャンピオンシップ」の月にする。それによって、レギュラーシーズンが伸びる分、例えば試合間隔は必ず2週間にするとか(最短でも10日以上)、スケジュール間隔を広げるとともに、場合によっては試合数を増やすチャンスにもなるだろうし。ただ、シーズンが長くなると言う事は、チーム数も多い関東と関西のチームは有利だけれど、それ以外の地方リーグは間延びしてしまう。その当たりの調整をどうするかは難しい課題なのは確か。可能であれば、今のような地域リーグに隣接リーグとの交流戦も追加して、地方リーグでも関東・関西並みの7~8試合位のリーグ戦方式にしたらどうかと思うんですよね。勿論、経済的な問題もあるから遠征なんて簡単にできないだろうし、負担も増えるだろうし。でも、日程問題というのはイコール試合数や対戦強度の平準化と言う事にも繋がると思うし、それはリーグやチームの実力アップにも繋がると思うし。
  4. 甲子園ボウル問題
    以前は、関西リーグの優勝チームが関東リーグの優勝チームを招待していものが、最近では地方リーグも参加した「大学選手権」に変化。それはそれで良いと思うけれど、日程的に厳しいのと、トーナメント戦が関西から2チーム(今年は3チーム)出場したりと歪なことも確か。個人的に思っているのは、
    1. 関西地区、関東地区は、上位2チームずつ4チームが進出
    2. その他地域で予選トーナメントを開催して2チームの代表を選出
    3. その地域代表は、今のような東日本・西日本と言う括りでは無く、シャツフルして対戦して勝ち上がりで2チーム決める
    4. 関東・関西の2位チームと地域からの2チームでワイルドカードを対戦
    5. ワイドカード勝利チームと、関東・関西の1位チームが対戦。この時、同地域チーム同士の対戦は避ける
    6. で、最後の2チームの対戦を「甲子園ボウル」とする。だから、関西・関東の2チーム同志の対戦になる可能性もある
  5. RICE BOWL問題
    じゃぁ、RICE BOWLはどうするか。私としては、RICE BOWLを今のJapan X Bowl(JXB)にすれば良いと思う。学生は、甲子園ボウルで学生チャンピオンを決定し、社会人はRICE BOWLで社会人チャンピオンを決定する。JXBはどうするのか? 個人的にはRICE BOWLが社会人選手権戦になるなら、発展的に解消して良いと思う。仮にそうなるとして、今年からのリーグ戦の、X1 Superの8チームでのリーグ戦に、上位4チームのトーナメント戦では一寸物足りないから、X1 Superを10チームにして、リーグ戦9試合にして、5、6位チームと3、4チームがワイルドカードを対戦し、その勝者と1、2位チームが準決勝。それらの勝者がRICE BOWLで社会人チャンピオンを決定する、というフォーマットはどうだろうか。
半分初夢、言いたい放題好き放題ではあるけれど、学生・社会人合わせて思うのは、もっとフットボールの露出を増やすことが必要ではということ。今のように、多くても年間8試合、9試合では、いくらシーズンが
9月から12月の4ヶ月でも少なすぎる。試合をするチーム側の負担や体力の問題もあるけれど、シーズンと試合数を増やすことで少しでも露出を増やすことが必要ではと思うんですよね。また、試合数を増やすことで、集客努力もチームに要求して、いろいろなチームイベントとか勿論内容の濃い試合をして集客力アップが、試合会場の選択とか何らかの利益に繋がるようにしても良いと思う。例えば、極端な話ホームタウン試合を開催したら、その試合の収益をそのチームの収益にしてもいいとか。体力やKnow-Howの無いチームは、有名チームと共同で試合開催して、一日フルのイベントにしても良いし。

大学に関しては、日本版NCAAとか、大学によっては個別に米国のカレッジのスタイル導入が進みつつあるけれど、肝心の社会人はどうだろうか。リクルートシーガルズがスポンサー撤退に伴い、自力でチームを収益化しようとしていて、それは成功していると思うけれど、社会人チームに関してもイベントとして、あるいはスポーツビジネスとして、企業スポーンサーだけでないビジネスモデルが必要だと思いますね。それがある程度道筋が見えてくると、今の甲子園ボウル、RICE BOWLのフォーマットも変わらざるを得ないようになる気がします。

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