大坂なおみ選手と錦織系選手のアニメを使用した日清食品のCMで、大坂選手の肌の色が黒くないと一般消費者(?)がクレームして、CMを取り下げた話。大坂選手本人が何か言って対応するならまだ分かるけれど、どこの誰とも分からない人間の話でこう言う事になるのって、それって良い社会なのだろうか。
大坂選手のお父さんは、ハイチ系アメリカ人でお母さんが日本人。お父さんの特徴を受け継いで、肌の色がやや黒いことは確かだけれど、正直彼女の肌の色くらいなら、日焼けした日本人だってあれくらいの人はそこそこいると思うんだけれど。所謂「黒人」と言われる人には等もあったことがあるけれど、本当に「漆黒」と言って良いくらいの肌の色の人から、ちょっと日焼けした位の感じの肌の色の人まで、いろいろな人がいます。そう言う意味で、「黒人」だからこの色で肌を表現すれば良いというものでも無い。
CMでは、大坂選手はアニメのキャラクターとして登場しているわけだから、本人と同一という事は無理。肌の色以前に、「顔が違うだろう」というツッコミもあるみたいだし(笑)。で、今回の事で大坂選手は余りというか殆ど気にしていないような雰囲気なんですが、多分彼女にとってのアイデンティティーは、肌の色ではなく、父親のハイチの記憶だったり、母親の日本の記憶だったり、そこから生み出してきた自分としての記憶、トップテニスプレーヤーとしての存在が「自分」のはず。そこを否定されたならば、彼女として猛烈に反発すれば良いと思うけれど、もしかすると彼女自身そんなに気にしていない肌の色のことを、他人が文句を言うのは、彼女に対してその存在を否定しているのに等しいのでは。
最近は、こういう話が凄く多いけれど、多くの場合は本人ではなく周りですら無く、全く関係無い人がいきなり声を上げて、拳を振り上げて、結局それが通ってしまうようなことも多い気がします。大坂選手にとって、一般的な日本人よりも濃い肌の色は、勿論父親から受け継いだ特徴の一つで、彼女を構成するアイコンの一つだとは思うけれど、それって自分も父親と目鼻立ちがそっくりとか、その仕草は母親に似ている、と言われることと同じ事。それが、正確に再現されていないから怪しからん、差別だというのはあまりに極端。確かにCMのキャラクターを見て違和感を感じる人もいるかもしれないけれど、決定するのは本人のはず。個人的には、肌の色よりも、顔が似てないことの方が問題だと思うけれど。
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