2019年1月9日

レーダー照射より深い疑問

未だワイドショーや情報番組で大きく取り上げられている、韓国海軍艦艇による、P-1への管制レーダー照射事件。両国から出されている「証拠」を見ても、機密部分は隠しながらも、ほぼ生のビデオ映像を出している日本側に対して、独自データは高々10秒の遠方からのビデオ映像しかなく、BGMやテロップに果ては日本側の映像を使うのは葦としても、映像とは別に音声部分を編集しているものを「証拠」としている韓国側では、ちゃんと見る人が見ればどちらが正しいか明らか。だから韓国側は何故遊軍に対して管制レーダーを照射したのかという根本の問題を、日本側の威嚇行為というべつの命題にすり替えようとしている。これって、所謂慰安婦問題もそうだし、最近の徴用工問題もそう。さらに言えば、日韓併合を「植民地支配」といったり、太平洋戦争時代は「同じ国」のはずが、いつの間にか韓国は日本と戦っていたことにするのも、そう言う論点そらしと一緒。

で、最初の頃からもやもやしていた物が、そう頻繁に映像を見る度にさらにもやもやしているのが、「何故、韓国の艦艇と北朝鮮のものと思われる漁船が、日本のEEZ内にいたのか」という事。北朝鮮漁船が大和碓付近に居たのは、よく言われる「イカ漁のため」という事で多分当たっているでしょうね。シルエットを見ても、物干しみたいな柱組が漁船の上に作られているけれど、あれって別の映像でよく見る北朝鮮のイカ漁船とよく似ています。問題なのは、その周りにいた韓国船。一つは韓国海軍の旗艦の一つ「広開土大王」(3,200トン)で、これは立派な軍艦。もう一つが韓国海洋警察の最大級警備艦で「広開土大王」よりも大きな「参峰号」(約5,000トン)という二隻がいたことは艦艇番号からも明らか。ここで素朴な疑問は、言ってみれば韓国の海軍と海警(沿岸警備)を代表するような艦艇が、なんで北朝鮮の漁船と寄り添って、しかも日本のEEZにいたのかということ。これが、韓国の漁船が何かトラブルがあって韓国海警の船が近くにいるならまだ分かるけれど、それでもそこに韓国海軍艦がいたらやはり変。そこが先ず最大の疑問。

さらに日本側のビデオを見ていると、P-1は「搭載ヘリコプターが無い」事を確認しています。これって、何処かで飛んでいることを意味しているわけで、それはどこに何のために飛んでいったのか説明が無い。救難作業中なら、現場海域を飛行しているはずだし、しかし映像を見ると既にボートが接近しているわけで、その周りを飛行している様子は見られない。唯一考えられるのは、何らかの理由から現場から離れていたことで、それに最も当てはまる説明は、漁船の搭乗者を例えば怪我とか病気のため搬送していたのだろうという事。それならそうと説明すれば済む話なのに、何でレーダー照射したのかと言う疑問が。と言うか、本来必要の無い韓国海軍館がなんでその場所にいたのか、それが最大の疑問ですよね。無線装備も十分でないであろう北朝鮮漁船が、わざわざ救助要請で海警艦と海軍艦を呼び出したのか? これらのことが、韓国なり北朝鮮のEEZ内で起こったなら、それは彼らの問題で済む話だし騒ぎ立てる必要も無い。問題なのは、日本の領海では無いけれど、日本の管轄であるEEZ内で発生した事。

仮に、何らかの理由で救助場面を韓国側が見られたくなかったのなら、そのままやり過ごせば良かっただけの話し。とは言っても、なんで韓国海軍艦がいるのか、しかも海警艦の方がトン数でも大きくて、悪天候でも無く支援作業は必要無いと思われるのに、何故そこにいるのか、それが最大の疑問ですよね。天候や、状況を見れば、海警艦だけで十分な状況と思われる。結局、理由不明で韓国海軍艦がそこにいたことを秘匿したいから、咄嗟にレーダー照射でP-1を遠ざけようとした、としか考えられない。まぁ、やぶ蛇にしかならなかったことですが、そのまま知らない顔をして、仮にP-1から目的や状況説明の誰何があれば、救助活動中、支援の必要無し、と言えば済む話だったはず。そんなことも冷静に判断出来ない位、何か切羽詰まっていたという事なんでしょうか。さらに、日本側は「再発防止策」を要求しているのに、韓国側は「謝罪要求」と勝手に自分達でエスカレートしているわけで、益々墓穴を掘っているとしか思えない。で、その穴は、益々くらく疑惑に満ちてきている気がする。

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