東京大、北海道大などの研究チームが、忘れた記憶を回復させる効果がある薬を発見したという記事。よく「忘れる」というけれど、それは記憶が脳の中から無くなるのでは無く、データとしては存在しているけれど、そのデータがどこにあるか分からなくなるから「忘れた」と感じるらしいですね。言ってみれば、自分の持ち物を何処かの引き出しに入れておいて、確かに持っているのだろうけどどこに入れたか分からないので「無くした」と思うのと同じようなものか。
実験では、目眩の治療薬「メリスロン」を通常の3~6倍飲むと、脳内のヒスタミン放出が促進されて、それによって神経細胞が活性化され、結果的に隠れていた記憶データへのアクセスが回復されて「記憶が戻る」事になるらしい。「ヒスタミン」自体は、血圧降下や血管拡張などの効果がある半面、アレルギー反応や炎症を促進してしまう副作用もあるらしく、今後そう言う方向への反応も気になるところ。
アルツハイマー病とか加齢による健忘症などへ効果があると、かなり助かる人も多いでしょうね。ただ、ヒスタミンは、例えば運動したり喜怒哀楽みたいな神経活動が活発になっても発散されるらしいから、そう言う意味では今でも言われているそれらのことは、あながち間違いでは無かったわけで、それをさらに効果的に発揮できるようになると良いですよね。
一方で、忘れたい記憶もあるだろうし、美しい誤解がそうでない誤解になるかもしれない。多分、選択的に記憶を回復することまでは出来ないだろうから、戻さなくて言い記憶が戻ってしまうこともあるだろうけど、そう言うリスクを考慮しても利益が大きい研究で有る事は確か。今回は記憶に関しての研究だけれど、脳その物に対しての機能補強・機能加速の研究にも繋がるかもしれない。人間の脳は、実はその機能の一部しか使われていないとのことなので、これを100%とは言わないけれどせめて半分くらいまで利用出来るようにしたら、文明とか文化とか技術とかかなりスピードアップするかもしれない。ただ、その分脳自体も疲弊して寿命が縮むとかいう話しになったら一寸困るけれど。「天才の閃き」みたいな事が、短い時間でも出来るようになったら、今以上に社会が活性化するかもしれない。最も、全ての人が良い方向にそれを使うとは限らないので、その分のリスクも増える可能性もありますけれどね。
0 件のコメント:
コメントを投稿