2019年1月24日

分散型連携

ITmediaビジネスで見つけた、個人的に面白く読んだ記事。全国展開する大手スーパーチェーンに対抗して、地方や地域の有力スーパー同士が連携・提携して対するという話。記事に登場する「Valor」は、静岡でも有名なスーパーですしね。毎日、ローカル局ではCMが流れてくるし。3社合計で1兆円規模の企業グループが出来るのは、かなり大きいですよね。

今のビジネスは、どんどんコスト削減、効率化、最適化、と言う事が要求されてきていて、その為にはまずは「規模のメリット」を得るのが一番手っ取り早いし効果的。大量購入で調達コストを下げられるし、寡占状態になることで市場を安定して抑えられることも大きいように思います。だから、厳しい現実だけれど、生存競争も激しく厳しくなる。そこで大手以外で生き残るためには、まずは独自性を持たないといけないし、技術だけでは無くその技術の生かし方・売り方も心得ていないと、宝の持ち腐れで消えていくしか無い。少し前に、伝統工芸品技術を、身近な商品に展開したりする話をよく聞いたけれど、やはりああ言うことは大切だと思う。また、より厳しい競争相手との戦いになるかもしれないけれど、これまで国内の市場しか見ていなかったところを、海外に活路を見いだすというのも生き残り策としては重要だと思う。

少し前に、コンビニ大手三社が共同で駐車場を借りて、そこを三社の配送車が効率よく使うと言う話がありました。あの記事を見て思い出したのが、本来ライバル同士で垂直統合していた自動車業界も、コストダウンや品質維持などの理由から、それまではライバルメーカーの下請けだったところを使ったり、部品の共通化を進めたり、業界全体で効率化を進めている話。どの業種でも、多かれ少なかれそう言うことをやらないと、これからの時代益々大変になる事だけは確実ですよね。

普通統合する場合は、A社+B社で足した和になるのでは無く、そこから重複している部分や、アウトソーシング出来るところを省いたりして、もっとスリムになるもの。その場合、大手が中小を吸収するケースが一番効率的なんでしょうけど、今回の記事の場合は地域的に被ることがないから、余りそう言う効果は望めないのかも。それでも、全体での調達力は大きくなるからコストダウンには貢献するだろうし、地域違いを理由して他の地域の物販を持ってくると言うのも付加価値向上に繋がるかもしれない。そう言う意味では、昔からの「大手が買収・提携していく」という様子は、昔の「ホスト統合型」に似ているなと以前から感じていましたが、今回のケースはその次の世代の「分散処理型」みたいなものかと感じますね。確か、個人経営の電気店をまとめて、大手家電量販店がネットワークを通じて自分の所の商品をそれぞれの個人点に卸すような仕組みがあったと思いますが(EDIONだったかケーズデンキだったか)、あれなどはさらにその後の「パソコン型」の統合なのかもしれない。これなどは、まさに仮想的な「合併統合」みたいなもので、その中で調達コストが最適化されて、個人商店でも競争力が増したわけだし、逆に個人商店故に個別対応が手厚く出来て量販店ビジネスに対しての付加価値が上がるし、顧客とのコンタクトタイムを長くなるから、そこから次のビジネスチャンスもでてくるだろうし。実質的な規模の拡大ならぬ、仮想的な規模の拡大とでもいえばいいのだろうか。それに近い話のように感じて、一寸面白いなと思います。

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