数日前の記事ですが、日本進出したSUBWAYの閉店が相次ぐという記事。自宅近くのイオンモールにも、フードコートの一角にSUBWAYが入っていて、本当にたまぁ~~にお昼として買うことがあるけれど、正直昔食べたときほどの感動は無いなぁ... 記事では、店舗の古さとか狭さが原因と書かれているけれど、個人的にはあのSUBWAYの注文方法が、日本人には馴染まないと思う。
SUBWAYの魅力は何かと聞けば、多分SUBWAY好きな人はパンから具から野菜からドレッシングから、全てカスタマイズ出来る事の自由度と自分好みのサンドイッチにできることを挙げる人が殆どだと思います。そのビジネススタイルは欧米人には馴染みがあるというか、自分達にあった方法なんだろうけど、日本人って元来そう言う組み合わせて注文するのでは無く、既にあるものから選ぶ方が好きなんじゃないだろうか。例えば定食、セットメニューに始まり、幕の内弁当とかお節とか、色々なものが組み合わされてセットになっているものを購入することには抵抗がないけれど、多分あれらを一つ一つ最初から選択して組み合わせるようになったら、結構人気が下がる気がします。定食メニューだって、主菜を生姜焼きにするか、トンカツにするか、ハンバーグにするかで悩むくらいなら良いけれど、それ以外の、ご飯、味噌汁、お新香までが、「ご飯は、白飯ですか、麦飯ですか、五穀米ですか、お粥ですか、...」とか「味噌汁は、赤味噌、白味噌、合わせ味噌に、具材は、豆腐、油揚げ、わかめ、タマネギ、サツマイモ、ネギ、ニンジン、... から2種類選択できます」とか言われたら、もう「面倒くさい」と思うのでは。
SUBWAYでも、デフォルトの組合せがあって、それを頼んだら直ぐに出てくるような仕組みがあって、その上で苦手だからピーマン抜いて、とかパンはロースとしてとか言うなら、多分受け入れられるのでは。マクドナルドのハンバーガーを、同じようにパテからバンズから指定しなきゃいけないとなったら、そりゃぁ敬遠されるだろうけど、「ビッグマック、ピクルス抜き」なら注文する方もベースが何で、そこからどうすると言う全体が見えるから納得出来るのでは。
組合せの選択肢が多いから、当然お客さんはそこで悩むわけで、その時には店員さんがお勧めを出してくれると、大体それを選択します。でも、それが自分の好みで無かったり、口に合わなかったりすると、それが凄くマイナス要因にもなると思います。自分も以前、ローストビーフサンドにワサビソーズだったか進められて、それを入れて貰いましたが、食べ見たら凄く辛くて正直美味しくなかった。それなら普通にグレービーソースとか、知っている味の方が良かったと後悔したことがあります。洋服等なら、その人に重ね合わせて似合う・似合わないの判断も出来るから、そこでお勧めも出来るんだろうけど、味の好みなんて見えないものを進めるのは、なかなか大変。選択方法がチェックシートにすればという意見もあるんだろうけど、それならデフォルトが書かれたチェックシートから、抜く物、追加する物が選択できるシートがあるといいなと思う。
それは、均質性を好む日本人の性質なのかもしれないけれど、じゃあバイキングが流行っているのは何故かというと、あれも大きな意味で「定食」の世界なわけで、その中からどれでも自由に選択できるから、日本人の性質に合っているんですよね。例えばバイキングのルールで、「メイン10種類から5種類、サラダ10種類から4種類、飲み物8種類から2種類、デザート15種類から5種類まで、自由に選択できます」なんて言ったら、絶対流行らないでしょう。でも、欧米人ならそれでも納得するんじゃないだろうか。彼らは、選択肢が色々あることが重要だし、そこに自分の意思・意図が反映されることが満足感と感じるように思います。それに対して日本人は、自分の納得行くものが含まれているなら、お仕着せでも問題無いし、そうしてくれる方がありがたい、と言う人が多いのでは。
勿論時代の流れとともに、そういうこれまでの考え方や性質も変わってくだろうから、日本人も欧米人的になるだろうし、逆に欧米人も毎回選択することに疲れて、日本人的な「定食文化」を楽と思うかもしれない。重要なのは、今の流れはどちらで、だから何を提供するのが良いのか、日本から外に出ていくビジネスでも、外から日本に入ってくるビジネスでも、そういう部分をちゃんと加味して必要な対応を取らないと成功は厳しいでしょうね。日本の「ケータイ」なんかが、その最たるものだと思うし、パソコンやテレビなんかとも同様だと個人的には思います。外からきたものだって、結果的には日本人の好み嗜好をある程度考えたものが成功しているわけで、その辺りをこれからどれだけ上手く反映できるかがSUBWAYの試練なのではないだろうか。何か一人偉そうですが、SUBWAYのサンドイッチも決して嫌いなわけじゃ無いので、そこは頑張って欲しい。
0 件のコメント:
コメントを投稿