福井県警が、僧衣で運転をしていた僧侶に反則切符を切ったことで、僧衣で色々なパフォーマンスをする動画が作成されて公開されている件。個人的には、何か違う気がする。
元々の反則切符に関して福井県警は、僧衣を着用していたことが問題では無く、くるぶし当たりまで長さのある白衣を着用し、袖丈が30cmある僧衣を着用しており、足下や膝が密着していてペダル操作に問題が発生する可能生と、僧衣の両袖が垂れ下がっていてレバーなどに引っかかる可能性を持って違反と判断していたらしい。ここで素朴な疑問として「女性や男性が、和装や着物で運転したらどうなるんだろうか」ということ。一寸調べてみると、各都道府県の公安委員会で運転車の遵守事項が決められていて、それ故に地域によって内容は微妙に異なるらしい。ただ、和装につきものの下駄とか雪駄のようなものは、サンダルと同じような扱いになるらしいし、和装に関しては今回の僧衣と同様に足下の動きが制限されることと、袖や上掛け等が運転装置の操作を邪魔する事になると問題となるようですね。
マニュアル車の場合は、左右の足を同時に動かしたり、シフトレバー操作も加わって運転中は色々な動作が発生するから、やはり足下や手の動きが制限される着衣はトラブルの要因になるでしょうね。ただ、最近の自動車の多くがオートマ車であることを考えると、シフトレバーの操作はよほどのことが無い限りは発信するときにモードを切り替えるくらいで移動中は殆ど触れないし、ペダル操作も基本右足だけでアクセルとブレーキを操作出来るから、右足の動きが確保できれば基本必要な操作は出来るはず。だから、足下の操作だけ見るならば、最近の自動車事情を考慮して「オートマ車限定」みたいな形で、スカートやズボンのような着衣以外でも、着物や和装での乗車も動きを阻害しないと言う条件で認めても良いと思う。一方で、腕の動作の確保は動きだけで無く、振り袖部分が大きければ意図しないでウインカーが動作したり、レバーなどに引っかかってハンドル操作が疎かになる可能性もあるわけで、それは和装だから、着物だからとは別に、例えば大きくてぶかぶかな上着でも起こる可能性もあるわけで、そう言う点は僧衣とかとは別にルールを明確にしていく必要はあるでしょうね。結果的に、「僧衣で反則」という部分が拡散されて行っているけれど、「運転操作が制限される」という事が最大の理由だったわけで、それをちゃんと伝えないメディアの責任もあるかなぁと感じます。
で、やっと本題(笑)。この反則切符に抗議するために、僧衣を着用して色々なパフォーマンスをして見せているけれど、それは一寸違うと思う。確かに、僧衣着用でも動きや動作を製解されないことを示せば、運転にも支障が無いという事は分かります。でも、例えば運動神経に優れたアスリートも事と場合によっては交通事故を起こすこともあるし、「僧衣で色々なことが出来る」は「僧衣で運転しても問題無い」の証明にはなっていないと思います。うちは本家なので父方のお寺のお坊さんと、母方の祖母の仏壇があるので母方のお寺のお坊さんがお経を上げに時々来られるんですが、父方のお坊さんは僧衣を脱いで来て、室内で着用して、お経が終わるとまた脱いで自動車を運転して移動しているし、母方のお坊さんは運転手さんがいて、だから僧衣着用のまま来られたりします。少なくとも、うちが関わる二つのお寺では、万が一満々が一のことを考えて、僧衣での運転は控えているように思われます。
例えば、袖部分が邪魔になるのであれば、たすき掛けみたいな感じで袖をまとめる道具みたいなものを使うとか、足下操作が少ないオートマ車限定にするとか、そう言う現実的な反証を仏教界はしていくべき何じゃ無いだろうか。縄跳びが出来ても、ジャグリングが出来ても、リフティングが出来ても、それは「運転の安全性担保」には直結しないと思う。
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