2018年12月8日

分身

BuzzFeedNewsの記事から、難病や障害などで体が自由に動かせない人が、遠隔操作でロボットを動かし、カフェの店員を務めるという話。記事に登場するロボットの「OriHime」、その制作者である吉藤オリィ氏、さらには操縦者である番田雄太氏は、以前何度かテレビ番組に登場していて、私も観た記憶があります。その時は、確か小型のロボットを使用して、秘書をしているという話しだったかな。で、その操縦者の番田氏が一年ほど前に無くなっていたことは知りませんでした。うーん、残念だなぁ...

少し前には、仮想空間に「アバター」を搭乗させて、それが色々仕事を進める、という世界観がちょっとはやって、それはそれでなかなか面白いアイデアだと思うけれど、結局ネット上で仕事が進むのであれば、わざわざそこに擬人化したキャラクターを登場させる必要性も少ないわけで、結局尻すぼみになっちゃいましたけどね。一方で、その形状は別にして、現実世界の中に自分の分身を登場させて、一緒に仕事なり娯楽なりして時間を過ごすというのは、アバターの逆の視点での分身利用。問題は、現実世界の中で動いたり動作したりする「物理的装置」が、どこまで実用的なものが出来るかなんですよね。

マイク(耳)、スピーカー(口)、カメラ(目)があれば、最低限のコミュニケーションは可能ですが、そこに「動作=身振り手振り」を入れるとなると、一気にハードルが高くなる。以前テレビ番組で見た「OriHime」も、顔が左右に動くのと、手の部分が左右独立して動く程度でしたが、日本人は昔からロボットアニメに慣れ親しんでいるからか、結構違和感無く「擬人化」を受け入れられたような気がします。そう言う感覚って、日本人独特のものだと思うけれど、日本のアニメが海外にどんどん出て行くにつれて、外国人でもそう言う感覚を共有出来る人が増えているんじゃ無いだろうか。

映画「ロボコップ」では、人間の脳を取りだしてロボットに内蔵させますが、そこまでしなくても、このようにI/Fさえあれば十分可能。唯一問題なのは、通信ネットワークの速度による遅延だろうけど、4Gとか5Gになればそれも問題無くなってきているし、後は操縦者の障害や病気の程度によって、どれくらいのどの様なI/Fが可能かと言うことくらいでしょうか。そのうちに、自分の人格をコピーしたAIがロボットを操作して、外で仕事をしているうちに、本人は自宅で別のことをやって、人生が二倍になる、みたいな話は何かのSFで読んだ記憶があるけれど、本当にそんなことが実現するかもしれない。

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