2018年12月29日

動かぬ証拠を動かす

海上自衛隊機への韓国艦艇による射撃管制レーダー照射時件。その逸脱行為を認めない韓国側に業を煮やしたのか、海上自衛隊がその時の様子の映像を公開。その公開先が防衛省のYouTubeチャンネルというのもビックリしたけれど、ご丁寧にも日本語版だけでなく、英文字幕入りの英語版まで準備して同時にアップしているのが凄い。と言うか、それほど防衛省側(=日本側)の怒りというか不信感は強いんでしょうね、今回は(も?)。
映像が公開される前、新聞記事などで見聞きしていた時には、冬の日本海でもしかしたら夕方とか夜の創作のために韓国側もレーダーなどを使用していたのかなと思っていたんですが、映像を見てびっくり。荒れた様子等全く感じられない、しかも晴天の明るい昼間の事なんですね。少なくとも目視で自衛隊機(友軍機)の確認は出来るだろうし、わざわざレーダーを当てる理由が見つからない。しかも、そのレーダー使用理由の「遭難漁船の捜索」と言いつつも、どうも既に発見して救出作業長のようにも見られる状態も映像に映っています。さらには、自衛隊機が挑発したというような韓国側の説明も、映像を見ている限りではそんな様子は無い。さらに、国際無線で呼びかけても何の反応もないと言うのは、先ずルール以前の問題だし、さらには電波状況が悪かったという韓国の説明も、あんな好天の元特に問題が有ったようには思えないし、仮に何か問題があったとしたら、それは韓国側の無線設備の問題じゃ無いのとしか思えない。

実際にレーダーを照射されたときとか、位置関係の部分は秘匿されていて、その辺りを理由に韓国側は映像に関して単なる哨戒機から撮影したもので証拠にならないと言っている様子だけれど、当然その部分のデータだってあるわけで、軍事的に必要な情報だからあえて隠しているだけという事は分かっていると思うのだけれど。相手が、それを理由に拒否するなら、次はそこを開示することに成るだろうし、そうなれば益々厳しい立場になるだろうし、自分達の情報も公にされてしまうことになるのに。

映像の中で感心したのは、一連の流れを途中編集すること無く最初から最後まで収めたこと。だから、途中韓国艦艇の番号を見間違える場面がありますが、そこもちゃんと入っている。本来なら、ミスの部分なんだろうけど、その後訂正する所も含めてちゃんと処理されていることを示しています。また、途中司令部へ連絡する場面もあって、ちゃんとリアルタイムに把握されていることも示している。これでも「そんなことは無かった」と言い切るのは、北朝鮮と中国くらいしか思いつかないのだけれど(マテ)。まぁ、今に始まったことでは無いけれど、「合意」とか本来それを最後として最終決定した「動かせないもの、動かさないもの」ですら、これまで散々「動かしてきた」相手ですから、この程度の反応で驚いていては駄目ですね。

ところで、日本の領海では無くEEZ内とは言え、韓国軍の軍艦とそれよりも大きな韓国海警艦がいるというのが甚だしい疑問なのだけれど。自衛隊機も、確認はしても警告していないので、それ自体はルールとして問題無いのだろうけど、これが逆の立場だったらどうなるんだろうか。さらに言えば、韓国軍だけでなく韓国海警もこの状況は把握していたはずで、彼らからの確認なり発言も聞きたいところですが、それは無いでしょうね。もう国としての面子の話しに変わってしまったから。まぁ、それもいつものあの国。

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