2018年12月10日

七つのパスポート

カナダで拘束された、HuaweiのCFO孟晩舟氏が、七つのパスポート(中国旅券4件、香港旅券3件)を使い分けていたというニュース。この拘束はアメリカの威光を受けてカナダが実施したという話を最初聞いた時には、何かアメリカも過敏反応だなぁと思ったけれど、七つのパスポートと言う話が出てくると、ちょっと笑い顔もこわばってくるような...

日本ではパスポート(旅券)は一人一つしか取れないわけで、例外としては何らかの理由で二重国籍を持っている場合は、日本とそれ以外の国という二通のパスポート所持は可能かもしれない。そう言えば、そう言う疑惑があり、結果的に最近日本の国籍選択をしたのに、その経緯の説明がほとんど無く説明責任を果たしているとは言えない某女性国会議員氏がいたけれど(マテ)。

閑話休題。中国の法律がどうなっているのか分からないけれど、まぁかなり割り引いて考えて、香港と中国本土の両方のパスポート所持が可能なのは、あくまで可能性の問題だけれど有るかもしれない。ただ、仮にそれが可能であったとしてもそれぞれ一通ずつ二つのパスポートが限界なわけで、それなのに同一の国で複数のパスポート所持が可能な理由が分からない。TL上の話では、それぞれのパスポートで、氏名とか生年月日が異なる何て言うことも囁かれているけれど、そうなるともうパスポートの意味が無いわけで、殆どスパイ映画の世界。

ただここで疑問になるのが、これが本当のスパイ活動のためならそう言う複数のパスポートを所持することも理解出来るのだけれど、仮にも世界でトップの通信機器メーカーのCFOと言う有名人なのに、なんでそんなことが必要なのか、と言う事。一つ考えられるのは、仕事の関係とは言え例えばアメリカと敵対するような地域・国を訪問するときには別のパスポートを利用して、履歴が分からないようにしたかったのかと言う事。ただ、それだってその気になれば動向情報なんて集められるだろうし、その時に本来の履歴が無い事が分かれば、そちらの方が問題になるわけですし。

勿論、そのパスポートが中国政府発行の正式なものであったとしたら、今度は発行機関である中国という国に対しての不信感が生まれてきます。誰でも簡単に複数作れるわけでは無いだろうけど、合法的に成りすましが出来る事になるわけで、それって今回の個人以上の問題なわけですよね。今回の件を受けて、世界的にHuaweiやZTE製品の使用禁止が広がってきていて、それに対して中国政府は厳しい態度を各国に示しています。でも、それと関係あるかないかは別にしても、こういう国として基本的な部分の疑惑が消えることの無い国と言う事も、もう一度認識して行く必要がありますよね。

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