2018年11月13日

AIキャスター

今朝のニュースでも結構取り上げられていた、中国の国営新華社通信が開発したAIキャスター。実在のアナウンサーの画像と声を利用して、AIが英語と中国語の原稿を人間のように読み上げるというもの。ラジオ放送などでは、テキストを音声に変換して放送するツールというかアプリが有って、既に実際の天気予報などの放送に利用されているので、この技術自体には驚きは無いけれど、そこに実在の人間の画像まで組み合わせてより「本物らしさ」を入れて使うのは、ある意味中国らしいと言うか。日本なら、まず二次元だろうな(マテ)。

これはこれで、動画のシンクロ技術とかリアルタイムに表情などを変化させる技術とか、あるいは原稿の内容から笑顔だったり悲しみだったり怒りだったり、場合によっては顔の表情だけで無く、体の向きとか手の動きとか、より実際の生身の人間に近い映像とシンクして利用されるようになるんだろうな。今はまだ試験的な物かもしれないけれど、今後はデスクに座っての原稿読みのような作業は、全てこういうAIキャスターに置き換わるかもしれない。その分、生身のアナウンサーは、他のバング作成に借り出されるんだろうけど。

「中国」というのでどうしても想像してしまうのて、このAIキャスターは、原稿データさえ入稿(入力)されれば、その通りに読み上げて伝えるわけで、となると例えばその内容が凄い物であったり、真実で無いものであっても、そのまま読み上げられてしまう可能性も高いのでは。となると、「キャスター」という職業・役割が、単なる宣伝ツールとに成り代わる可能性があるわけで、それはそれでメディアに関わる人達としては不安とか疑問は無いのだろうか。例えば、同じ文章を読み上げるにしても、微妙な間とか抑揚とか一寸したタイミングの違いで、そのキャスターの個性みたいなものが感じられるし、場合によってはその文章の裏に込められた意図とか、キャスター自身の主張みたいものも感じることが出来る。でも、こういう「ツール」になった途端に、そこにはそう言うリアルタイムの属性情報みたいな物は期待出来ないわけで、仮にそう言うものを感じたとしても、それは予め仕込まれた物でしか無いわけで、それってある意味「成りすまし情報」とでも言えるような気がします。

この関連記事を読んでいて思ったのが、このAIキャスターのある意味対極にあるのが、よく見聞きする北朝鮮の放送番組に登場する、明らかに嘘っぽい感情表現たっぷりで原稿を読み上げる北朝鮮人キャスターの映像、かなと。彼らは生身の人間で、表現も自分の個人的感情のように表しているけれど、全て作り込まれた作為的な物であることは誰でも感じられるもの。見た目やそのシステムは異なるけれど、結局やろうとしていることは同じ訳で、そう言えばどちらの国の体制も... (おっと、誰か来たようだ...)

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